ＢＬＩＮＤ ＬＯＶＥ
１１
『』の中は日本語です。
セックスは愛情を高める為の行為だと思っているし、最愛の友春を抱くのならばなおさら、アレッシオは何に対するよりも優しくした
いと思っているのに・・・・・それと同時に、何時までも真っ直ぐに自分を見ない友春に焦れて、泣くほどに攻め立てたいという荒々し
い感情にも襲われてしまう。
もちろん、傷付けることはしないが、深い快楽に溺れさせ、自分とのセックス以外何も考えることが出来ないようにしてしまうことは
可能だ。
『ん・・・・・っ』
『トモ・・・・・』
アレッシオは友春の身体を押さえつけ、ペニスを弄る手の動きを早めた。
イキたいくせに唇を噛み締める友春のそれを舌で舐め、解くようにと促すものの、更に頑なになった友春は両足を閉じようと必死で
身体を捻る。
しかし、アレッシオはもう片方の手でしっかりと足を抑え、逃げることを許さなかった。
（もう、こんなにも濡れている・・・・・）
アレッシオの指を濡らす友春の先走りの液はその下の双玉まで濡らしているのだ。嫌がる方が可笑しいと、アレッシオはそのまま剥
き出しになった肩口に歯を立てる。
『んあっ！』
その瞬間に強く感じたのは痛みか、快感か。間を置くことなくアレッシオの手の中に吐き出された精液は、ポタポタとシーツの上に
零れて広がっていく。
『う・・・・・く・・・・・っ』
押し殺したような泣き声を、アレッシオは聞こえない振りをしていた。
我慢が出来ず、アレッシオの手の中に精液を吐き出してしまったことが恥ずかしく、友春は顔を見られないようにシーツに押し付
けた。
受け入れなければと思う気持ちを義務とは考えたくない。それでも、一方的に快感を感じさせられるのは辛い。
受け入れることが精一杯の自分が、アレッシオに返せることなど何もないが、それでも気持ちが追いつくのを待って欲しかった。
（こ・・・・・れ、着たまま、なんて・・・・・っ）
服を身につけたままのセックスは合意のセックスには見えない。一番最初にアレッシオに強引に身体を奪われた時のことが頭の中
を過ぎってしまい、手や足が震えてしまった。
『・・・・・・く・・・・・』
自分だけが飢えていると見せ付けられてしまった友春は、悔しさと恥ずかしさで強く唇を噛む。
『トモ』
『こ・・・・・な、の・・・・・』
『・・・・・』
アレッシオから顔を背けたままでいると、首筋に濡れた感触を感じた。
『！』
先ほど、強い痛みを感じた場所に濡れた感触・・・・・それがアレッシオの舌で、彼が肌を舐めているのが分かる。
『な、なに・・・・・』
『・・・・・』
アレッシオは無言のまま、首筋からゆっくりと唇と舌を這わせてきた。それは激しいものではなく、まるで友春の波立つ感情を宥め
るように優しいものだ。
（そんなふうに、優しくしなくてもいいのに・・・・・）
いっそのこと、力で身体を奪ってくれたら、アレッシオに対してこんな複雑な思いを抱かなくても済むのに、こうして戸惑うほどに大
切に、優しく身体に触れてくるから、友春は結局彼を嫌いにはなりきれないし、結果的に全てを受け入れてしまうのだ。
それがアレッシオの計算だったらずるいが、多分彼は本当に自分のことを考えて行動している。
感じること自体を我慢するように、強くシーツを握り締めた自分の手。しかし、それがアレッシオの唇が触れるたびに力が抜けてしま
うのを、友春はただ呆然とした思いで感じていた。
友春の感情が落ち着いたのは、大きく波打っていた背中が緩やかに上下し始めて分かった。
少し強引過ぎたとは思うが、それも友春が悪い。
（私の愛を受け入れないトモが・・・・・）
『・・・・・』
アレッシオはいったん身体を起こすと、身体に纏わりついていたマントとスーツの上着をベッドの下に投げ捨てた。
友春とは服を着たままする性欲処理のセックスのようなことはしたくないが、アレッシオの方も一刻も早く友春の中に入りたくて、全
てを脱ぎ捨てる余裕は無かった。
『あっ』
アレッシオは友春の腰の下に手を入れて身体を返すと仰向けにした。
『・・・・・っ』
『顔を背けるな』
『・・・・・』
『目を閉じるのも止めろ』
『ケ、ケイ』
許して欲しいという訴えるような眼差しを強引に退け、アレッシオは友春の着ていたキモノの前を腰まで大きく割り開いた。
下着代わりに着るらしいそれは、既に下半身の部分が友春の吐き出した精液で濡れてしまっていたが、ペニスを隠すそれが無く
なってしまうのはかなり心細いものらしい。
『・・・・・』
アレッシオの言葉に素直に従い（こういう時だけ従順だ）、顔を逸らすことはせず、目も閉じず・・・・・それでも、アレッシオを真っ直
ぐに見ないように視線を逸らし、友春は何とかキモノを直そうと必死で手を動かしていた。
それでも、それは余計に合わせ目をずらしてしまう羽目になったらしく、やがてアレッシオの眼下には、先ほど出した精液で白く濡
らしてしんなりと頭を下げてしまっているペニスが現れる。
下生えばかりか、腹や腿の辺りまでも濡らしている友春。それを隠そうと動かす足と、白いキモノ、全てが合わさって友春の姿は
憐れでありながら淫靡だ。
『気持ちよかったのか？かなり濡らしている』
『そ、そんなっ』
『私も、早くお前の中に出させてくれ』
『ま、待って、まだ早いから・・・・・っ』
『当然、ここは私が解す』
何もしないままペニスを入れるほどに自分は非情ではない。そんなことをすれば友春の下半身はかなり傷付き、１日はベッドから
起き上がれないようなことになるだろう。
『痛い思いをしたくないのなら、おとなしく私の指に感じるんだ』
そう言いながら、友春の精液で濡れた指を一本、自分を受け入れる尻の蕾に滑らす。
何度か撫で摩り、少しずつその爪先を入れようとすると、
『う・・・・・くっ』
友春は眉間に皺を寄せながら、それでも何度も深呼吸を繰り返してそれを受け入れた。
自分の身体にとってどういうふうにすれば一番楽なのか、もう数え切れないほどに友春は経験しているし、つい先日その身体を抱
いたこともあり、友春の素直で覚えの良い身体はきちんと自分のことを覚えているようだ。
『上手だ、トモ』
指を１本、付け根まで入れてしまうと、今度はその半分の時間で引き出す。何度もそれを繰り返し、内壁の抵抗が心地良いも
のとなってきた時、アレッシオはその爪先で内壁を刺激した。
『あっ、あっ！』
『・・・・・』
友春の太股が引き攣ったように震えている。
アレッシオは友春の片足を肩に抱え上げ、自分の指を含んでいる蕾をさらによく見えるようにした。こんなに小さな場所に自分のペ
ニスが入るのかと毎回考えるが、友春は細い腰で健気にも自分の全てを受け入れてくれる。
それが自分に対する愛情だと思うのは間違いなのだろうか・・・・・アレッシオは２本目の指を差し入れた。
（な、中が・・・・・っ）
身体の中がかき回されている。
いったい今アレッシオの指が何本入っているのか見るのも怖いが、少なくとも２本以上の指が自分の内壁を我が物顔に刺激して
いた。
アレッシオの標準以上のペニスを受け入れるためにはしっかり慣らさないといけないことは、もう何度も経験しているセックスで十
分分かっているつもりだ。それが足りなければ入れるアレッシオも、そして受け入れる自分はそれ以上、辛く、苦しい時間が続いて
しまう。
それでも、分かっているというのと、納得しているのとは微妙に違い、羞恥と苦しさは何時までも消えることは無かった。
クチュ ニチャ
（・・・・・音っ、聞こえなかったらいいのに・・・・・っ）
粘膜をかき回す淫らな水音が嫌だ。
女ではないので濡れるということがないはずなのに、友春はアレッシオに身体を変えられてしまっているのか、こんな誘うような音を
聞かせるようになっていた。
それは、自分の精液を使っただけではないほどの音のような気がして、男同士のセックスに慣らされた自分の身体は、もう受け入
れるように変貌してしまったのかもしれない。
クプッ
複雑な思いを抱いたまま、顔を逸らすようにしてその羞恥に耐えていると、やがて蕾の中に入っていた指が引き抜かれた。
圧迫感と鈍い痛みが遠ざかったが、今度はその場所が物足りなく感じてしまう。
『・・・・・』
『私が欲しいのか？腰が揺れているぞ』
『う、嘘っ』
『では、試してみるか？』
何をするのだと訊ねる前にカチャカチャという金属音がした。
（え？）
顔を逸らしていたのでは何をされるのか分からなくて、友春は何とか顔を前へとやり、視線を向ける。
すると、何時の間にかマントとスーツの上着を取った姿のアレッシオが、ズボンの前を寛げていた。
『・・・・・っ』
その時点からアレッシオの興奮が分かるほどにペニスは勃ち上がっていて・・・・・ファスナーを下ろし、下着をずらした瞬間、勢い良
くペニスが外に飛び出してきた。
『トモの可愛い声に煽られた』
『・・・・・そ・・・・・な・・・・・』
『次は、お前がどれ程私を欲しがっているのか・・・・・見せてもらおうか』
『んっ・・・・・ふっ・・・・・く・・・・・っ』
『どうした？私は少しも動かしていないぞ』
『ケ、ケイ・・・・・ッ』
『このままでは、お前の方から入れそうだな』
クチュ チュク
アレッシオのペニスが、双玉の下から蕾までを、ペニスでゆっくりと擦っている。
アレッシオのペニスからも先走りの液が零れているのか、肌を滑る感触は滑っていて・・・・・熱い。時折先端が蕾の辺りで止まり、
そのまま入れられてしまうのかとキュッと力をこめてしまうが、結局はペニスは肌の上を滑るばかりで、友春は次第に緊張感が焦りに
変わってくるような気がした。
（早く、入れて欲しいなんて・・・・・）
このまま焦らされてしまっては、どんな淫らな言葉を言うのか分からない。友春は今以上の恥ずかしさを感じるよりはと、自分の
顔の横に付いているアレッシオの手首をギュッと掴んだ。
『お、願い・・・・・っ』
早く友春の中に入りたいのを我慢し、アレッシオはただペニスで友春の下半身を弄り続けていた。
入るか入らないか、ギリギリで止め、そのままペニスで双玉を擦り、ペニス同士を擦り合わせる。始めは戸惑った表情を見せていた
友春も、何時まで経ってもアレッシオがペニスを中に入れないので焦れてきたのか、ゆっくりと腰を振り始めた。
『んっ・・・・・ふっ・・・・・く・・・・・っ』
『どうした？私は少しも動かしていないぞ』
『ケ、ケイ・・・・・ッ』
『このままでは、お前の方から入れそうだな』
言葉でいたぶると、泣きそうな表情にはなるものの、その身体は意志に反して貪欲に快楽を貪っている様子が見て取れた。
（もうそろそろだな）
『お、願い・・・・・っ』
友春の手が強く自分の手首を掴み、震える声で言う。
それが、友春が快感に堕ちた瞬間だった。
『そのまま』
アレッシオは今まで表面を滑らせるだけだった蕾にペニスの先端を当て、そのままグッと腰を突き入れる。
ズリュッ
『ああっ！』
上がった声は涙で濡れていたが、同時に色濃い快感の響きがあった。それまで溜めていた情熱を一気に解放するように、アレッシ
オはペニスを根元まで押し込む。
『あっ、あ・・・・・っ』
クチュッ
今度は先端部分を残して引き出し、再びゆっくりと沈めていった。何度も何度も、自分の腰と友春の尻がぶつかる音と、粘膜が
かき回される水音が部屋の中に響いてくる。
『トモッ』
『ケ・・・・・イッ』
アレッシオは友春の名を呼び、身を屈めてその唇を奪う。苦しい体勢に呻き声を上げながらも、友春は中に差し入れた自分の
舌に必死で舌を絡ませ、肩に爪を立てるほどに強くしがみ付いてきた。
ピチャ
『んむっ』
ズリュ
舌が絡み合う音と、ペニスと内壁が擦り合う音。
求め合うことに必死で、呼吸をすることも忘れたかのように、アレッシオはなおも強く友春を責め苛んだ。
