光の国の恋物語





11









(この男は何をしようとしているんだ・・・・・?)
 悠羽は次々と身体から剥がされていく服を必死に押さえながら、自分の身に起こっている信じられない現実を必死で処理し
ようとした。
もちろん、頭の中で考えて何かが変わるわけではないが、それでもこの非現実的な現状を何とか打破しなければと思った。
 「こっ、洸聖様っ、私は男ですっ、お戯れはお止め下さいっ」
 力で敵わないのは、体格差を考えるだけでも分かる。それならばと何とか言葉で分かってもらおうと思うのだが、洸聖の手が止
まる事はなかった。
 「洸聖様!」
自分だけが無防備な全裸にされてしまうのを、悠羽はただ絶望を感じながら見ているしか出来ず、それでも僅かな望みを持っ
て洸聖の名を呼び続ける。
すると、その声を煩く思ったのか、洸聖は強引に悠羽の身体を仰向けにすると、小さな顎を強く掴んで唇を重ねた。
 「!」
(お、男に・・・・・)
 「ん・・・・・っんあっ」
 強引に洸聖の胸元を突き飛ばしたが、洸聖の身体は自分に覆い被さったままだ。
そんな相手を王子としてのプライドだけで睨み返していた悠羽だが、自分でも知らない間に涙で頬が濡れていた。
 「・・・・・悠羽」
 「こん、な、ことで、私を支配出来ると、思うな」
 「・・・・・」
 「たとえ、女のように、あなたの、ものに、なったとして、も、私は、奏禿の王族としての誇りは、失わな・・・・・い!」



 なぜ、悠羽がこれ程に自分を拒むのか洸聖には理解出来なかった。
男の身でこの光華国に嫁いできたくらい度胸と覚悟があるのだ、夫になるはずの自分に抱かれることくらい覚悟していなかったの
だろうか。
 涙で潤んだ瞳がじっと自分を睨んでいるのを見ていると、どちらかといえば平凡な容姿が妙に扇情的に変化していく。
洸聖は自分で勃たせなくても力を漲らせてきた性器に気付き、自分が興奮しているのをやっと自覚した。
(男相手に・・・・・)
 「・・・・・」
(それも、美しい容姿もしておらぬのに・・・・・)
少しも、王族らしい容姿ではないくせに、その気骨はもしかしたら自分よりも王子らしい。
 「・・・・・その顔、歪ませてみたいな」
許して欲しいと懇願させてみたい・・・・・洸聖は暗い欲望を感じた。



 「・・・・・や・・・・・めろ!」
 自らも服を脱いだ洸聖が、そのまま自分に覆い被さってきた。
素肌と素肌が触れ合う感触が生々しくて、悠羽は声だけでもと抵抗する。
しかし、全く手を止めようとしない洸聖はそのまままだ縮こまっている悠羽の陰茎に手を触れた。
 「!」
小さな身体に合った、小さな男の証。とても成人の男の大きさとはいえないその陰茎は、いきなり他人の手を感じて更に小さく
なっていくようだ。
そのせいか、男の性器に触っているという不快感は全く無く、洸聖はまるで珍しい玩具の様に悠羽の陰茎を嬲った。
 「ふっ・・・・・んっ」
 「悠羽、気持ちがいいにならば素直に感じろ。ここには私しかおらぬ。そなたが王子だと知る者はここにはいない」
 「はっ・・・・・っ」
 「そなたがどれ程乱れようとも、誰も責めたりはせぬぞ」
まるで唆すように、洸聖は悠羽の耳元で囁きながら、その陰茎や双玉を手のひらや指で愛撫する。
他人の手にそこを触れられたことが無い悠羽は、たちまち勃ち上がってくる自分の陰茎にどうしたらいいのか分からなかった。
(あ・・・・・つい、熱い、だれ・・・・・か、サラン・・・・・!)
 「サラン!サランッ、助け・・・・・て!」
 暴言ならば、言い返せる。
暴力ならば、我慢するか、やり返す。
しかし、快感はどうすればいいのか、悠羽は全く知らなかった。



 悠羽の口が自分以外の人間の名を呼ぶのを聞いて、洸聖は面白くないと思った。
懇願も暴言も全て自分に向けられていないと面白くない。
それは愛情などではない、洸聖の矜持の為だ。
 「・・・・・」
 この国に一歩足を踏み入れた瞬間から、悠羽の全ては洸聖のものだ。それを本人に分からせる為にも、洸聖は悠羽に痛み
と快感を同時に与えなければならなかった。
 「い、いたっ、こわ、い、怖いよ、サラン!」
 「私の名を呼べ、悠羽」
 「サラン、サラン!」
 「・・・・・っ」
(まだ分からぬのか・・・・・っ)
 男は抱いたことは無いが遣り方は知っている。
洸聖はまだろくに解れていない悠羽の尻の蕾に、男の身体では唯一受け入れることが出来る場所に、自分の猛った陰茎を押
し当てた。
 「っ、な、に?」
あらぬ場所に感じる濡れた感触に、悠羽は濡れた瞳を洸聖に向ける。
初めて目が合ったような気がして、洸聖は唇に笑みを浮かべた。
 「少し痛むだろうが、そなたが妻となる為の儀式だ、受け止めろ」
 「え・・・・・?」
先走りに濡れた切っ先が、僅かに蕾にめり込んだ。

 ヌチュッ

 「いっ・・・・・・!!」
 その瞬間に悠羽は身体に力を込めたのか、陰茎は頭の部分を途中まで含まれた形で行きも戻りも出来ないほどに締め付け
られた。
その痛みに洸聖の額にも汗が滲むが、ここで終われるはずが無い。
 「・・・・・っ」
 洸聖は更に悠羽の足を大きく開くと、ギュウッと悠羽の未熟な陰茎を手の中で握る。
 「ひぃっ!」
その痛みに思わず声を上げた拍子に、一瞬身体の強張りが解け、洸聖は一気に先端の部分を悠羽の中に挿入させた。
 「!!!」
一番太い先端部分がめり込んでしまうと、後は力のままに竿の部分も押し込んでいき、
 「・・・・・っはぁはぁっつ!」
やがて、洸聖の陰茎は全て悠羽の蕾の中に収まってしまった。
 「・・・・・っ」
(女とは・・・・・まるで違う・・・・・っ)
 どこまでも深く飲み込むような女のそことは違い、悠羽の、男のここは力任せに絞るような圧迫感を感じた。
しかし、やがてそれは蠢く内壁のせいか、締め付けは相変わらず強いものの、まるで強く愛撫されているように陰茎を刺激し始
める。
 思わず洩れそうになってしまう快感の呻き声を唇を噛み締めることで押さえ、洸聖はゆっくりと陰茎を引き出した。
 「ひゃあぅっ!」
悠羽にとっては今だ痛みの方が強いようで僅かな動きにも声を上げるが、洸聖は構わずに・・・・・それでも出来るだけゆっくりと
出し入れを繰り返す。
 「い、いたっ、や・・・・・やめっ」
 「・・・・・くっ」
 哀れだと、可哀想だと思う。
しかし、初めて男の身体を抱いて感じるその強烈な熱さと快感に、洸聖は余裕など全く無くなってしまった。
 「ゆ・・・・・はっ」
 「痛いっ、いた・・・・・いっ!」
 ふと自分達の結合している部分を見れば、寝台の上に僅かな赤い染みが出来ている。許容量以上の洸聖の陰茎を受け
入れた悠羽の小さな蕾は、耐え切れずに切れてしまったのだろう。
その赤いものを見て、洸聖は悠羽を解放してやるどころか更に暗い欲望を高めてしまい、そのまま悠羽が気を失ってしまっても、
自分の精を吐き出すまでずっと、その小さな身体を攻め立て続けていた。