光の国の恋物語
120
「サランの女の部分はまだ幼い気がする。だから、ここに入れるのは少し無理だと思う」
洸莱は医学書を読んでいるかのように生真面目に答えた。
サランの身体が両性具有だと知った後、洸莱は少しだけ医学書を調べてみた。公な資料はほとんどなかったが、ついでのように
男女の交わり方も読んだ。
もちろん、本で書かれている一般的な性行為と、サランの身体が同じではないと分かっているが、いずれはサランの身も心も欲
しいと思っていた洸莱のその行動を誰も責めはしないだろう。
「サランが嫌だといえば仕方ないが・・・・・」
「・・・・・」
「サランの後に、肛孔に入れてもいいだろうか?」
「・・・・・それは、どこでしょうか?」
言葉で説明するよりは、その場所を実際に教えた方が早い。
洸莱は手を伸ばすと、細いサランの腰の下、双丘の狭間へと指を滑らせた。
「!」
「・・・・・ここだ」
「・・・・・そんな場所、性交に使う場所なのですか?」
「男同士は、多分そこしか入れるところはないだろう?口や手で愛撫しあうだけでなく、身体全てを交わろうと思えばそこしか使う
ことが出来ないはずと思う」
洸莱自身も多分ということしか言えないし、そもそもサランがそこまで覚悟しているのかどうか分からない。
(ここには・・・・・入れたくないかもしれないな)
そうでなくても性ということに関して潔癖なサランだ、嫌だと言われても仕方がないと思った。
「・・・・・」
「・・・・・サラン」
「・・・・・」
「・・・・・っ」
黙って俯いていたサランの次の行動に、洸莱は思わず目を見張る。
華奢な、白過ぎるほど白い足が、洸莱の目の前でゆっくりと開かれていった。
自分の取っている体勢がどんなに淫らなものか・・・・・それでもサランは、このまま洸莱を拒絶するという選択をしようとは思わな
かった。
自分の身体を気遣って、女の部分には挿入しないと決めてくれた洸莱。
それでも、自分の身体が欲しいという洸莱。
サランだとて・・・・・洸莱を受け入れたいと思っているのだ。
「・・・・・っ」
顔だけでなく、身体全体が燃えそうなほどの羞恥を感じながら、サランはゆっくりと足を開いた。
こんな格好をすれば、先程ペニスを愛撫された時以上に自分の身体の隅々まで見られてしまうことになるが、サランの身体に洸
莱に隠さなければならない所など一つもなかった。
「・・・・・ここに」
「サラン」
「あなたを、入れてください」
「・・・・・」
恐る恐るというように、洸莱の手が頬に触れた。
続いて、そっと触れるだけの口付けが唇に落とされる。
大切にされているのだと泣きそうな気持ちになって、サランは自分から洸莱の唇を奪った。
クチュ クチュ
たっぷりの香油を垂らされた秘所が、淫らな水音を立てていた。
「痛かったら言ってくれ」
「・・・・・」
コクンと頷いたサランを見た後、洸莱はその腰を自分の膝の上に持ち上げ、足を大胆に広げさせて、真剣な表情で肛孔を慣らし
ている。
自分は、男どころか女さえも抱いたことがなく、サランも同様に性的に未経験で、どんなに細心の注意を払ったとしても傷付けてし
まいそうだという不安はあった。それでも誰かに教えてもらおうとは思わない。サランのこの綺麗な身体を誰にも見せたくなかった。
(ここも・・・・・綺麗だ・・・・・)
小ぶりながらペニスも綺麗な形と色をしていたが、この肛孔もまるで華の蕾のような可憐な形と色をしていた。当然他人のそん
な場所を見るのは初めてだし、この先も見る気も無かったが、多分、サランはどんな人間よりも綺麗な身体の持ち主だろうと洸莱
は思った。
「あ・・・・・んっ」
「・・・・・」
初めは小指の爪先さえも入らないほどに硬く慎ましやかに閉じられていたそこは、洸莱の熱心な愛撫と香油の力でようやく指が
2本ほど入るようになっていた。
それでも、指は強く締め付けられていて、洸莱はドクドクと自分の心臓が高鳴って行くのを感じる。
「痛いか?」
「い・・・・・え」
「嘘じゃ、ないか?」
自分の為を思っての嘘じゃないかと思ったが、何度訊ねてもサランは首を横に振るだけだ。
洸莱は狭いサランの中を指先で何度も撫でさすり、その白い頬に赤みが差してきたのを確認する。
「んっ」
ようやく、3本目の指が入り、洸莱は困ったようにサランの顔を覗き込んだ。
「・・・・・入れてもいいだろうか」
ヌチュ
洸莱のペニスの先端が肛孔に触れた。その熱さと硬さに一瞬身体を硬直させたサランは、力を入れないようにと真面目な顔で
言う洸莱に僅かに頷いて見せた。
洸莱がかなり我慢していることは、触れたペニスの先端が既に濡れていることからも分かる。自分とは違って正常な普通の男であ
る洸莱が、ここまで理性的に欲望を抑えているには相当な忍耐が必要のはずだ。
(私などを・・・・・気遣ってくださっている・・・・・)
「い、入れて、くださ・・・・・」
「・・・・・っ」
「ふんっ!」
グイッと、まるで内臓を突き上げるような衝撃が襲ってきた。
「・・・・・っ、ま、まだ、先も入って、ない、ぞっ」
「う・・・・・そ」
(こんなに、苦しいの、に・・・・・っ)
もう、腹の中一杯にペニスを押し込まれたような感覚なのに、それがまだ先端の全ても入っていないのか・・・・・サランは気が遠くな
りそうだったが、それでも洸莱に先を促すように、しなやかに逞しい腕を掴んでいる指先に力を入れる。
その瞬間、
「・・・・・!」
「ああぅっ・・・・・!」
灼熱の棒が身体の中心を突き刺した。
これ以上長引かせれば痛みだけが長引くと、洸莱はサランの腰を掴み直して一気に腰を突き入れた。先端部分の半分くらい
飲み込んでいた肛孔は、その勢いと香油の力でヌルッと根元まで収まってしまう。
「・・・・・っ」
自分の下生えがサランの尻をくすぐっている。全てがサランの中に収まったのだと思うと言葉に出来ないほどの色んな思いが胸の
中に渦巻くが、自分の身体の下で苦しそうな呻き声を上げるサランに気付き、洸莱はゆっくりとペニスを引き出した。
(早く終わらせないと・・・・・っ)
とにかく早く射精して、サランの負担を軽くしなければ。そう思った洸莱はゆっくり、ゆっくりとペニスの出し入れを始める。
「ふっ、んっ、・・・・・っ!」
「・・・・・サ、ランッ」
きついサランの内部はそれだけで洸莱のペニスを刺激した。蠢く内壁にペニスは愛撫され、洸莱はそれ程長く持たないことを感じ
た。
男としては情けないが、これもサランの身体が素晴らし過ぎるのだ。
「サランッ!」
「・・・・・ああっ!」
ぐぐっと最奥までペニスを突き入れた時、サランは無意識に息を詰めた。その瞬間、洸莱はサランの中に熱い精液を解き放って
しまう。
「・・・・・ぅ・・・・・っ」
これまで感じたことのない快感に、洸莱はしばらく呆然としてペニスを抜き出さないままでいたが・・・・・。
「サラン・・・・・愛している」
抱き合ったからというわけではない。その前からサランの心を愛しいと思っていたが、抱き合ってからは更に愛しさが増した。
思わずそう呟いた洸莱に、サランは汗ばんだ顔を綻ばせ・・・・・小さな声で言う。
「私も・・・・・好きです・・・・・」
嬉しくて、嬉しくて。洸莱は思わず強くサランを抱きしめると、綻んだ唇に熱い口付けを落とした。
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