5
ウエディングドレスを着て、指輪を交換して。
ここは教会ではないし、神父もいないが、まるで本当に結婚式を挙げたような気がして、聖はその気恥ずかしさに頬を赤く染めて
しまった。
「行くか」
「え?」
そんな聖の手を取った高須賀は、聖を部屋から連れ出す。いったいどこに行くのだと戸惑う聖に、ベールを押さえてくれた亘が、
にっこりと笑みを向けて言った。
「父さんの部屋だよ。聖君の部屋じゃちょっと狭いし」
「狭い?」
「ベッド。聖君の部屋のベッドじゃ3人は寝れないだろう?」
「・・・・・っ」
それが、普通に休むという意味ではないことは聖も分かっている。それでも、改めて口にして出されれば恥ずかしい言葉で、もう
顔を上げることは出来なかった。
(本当に・・・・・俺・・・・・)
2人に抱かれるという覚悟を自分はちゃんとしているのかどうか、聖はとても自信がない。それでも、こんなにも自分を大切に想
い、扱ってくれる2人を突き放すことはしたくない。
これが、愛情ではなく、感謝の思いからとっている行動だとしても、もう決めてしまった自分の運命を振り返ることはしないと決め
ていた。
自分の部屋のドアを大きく開け、大人3人でもゆったりと横になれるベッドの前まで聖を誘導した。
掴んでいる手は強張ったように硬くなっているが、聖は逃げずにその場に立っている。
(度胸があるな)
多分、未だ迷う気持ちがあるのだろうが、それでも一度決めたことを取り消したくないと生真面目にも思っているのだろう。
子供にそんな風に気を遣わせることがいいことだとはもちろん思わないが・・・・・高須賀はようやく手に入れることが出来る愛しい
者を抱きしめた。
「・・・・・っ」
「大丈夫だ、聖」
「た、高須賀さ・・・・・っ」
「大切にするからな」
チュク
そう言いながら噛み付くように聖に口付けをした高須賀は、そのままその身体をベッドに押し倒した。
スプリングで跳ねた身体を押さえ込み、そのまま手をドレスの裾へと滑り込ませると、つるんと手触りの良い太股が直ぐに指先に
当たった。
(ああ、そういや下着は着けさせてなかったか)
ウエディングドレスの下がトランクスというのはあまりにも色気が無いかと思い、嫌がる聖から下着を外させたが・・・・・そう思い
ながら手を伸ばすと、まだ縮こまったままの小さなペニスの存在が直ぐに分かって、高須賀は思わず笑ってしまった。
「・・・・・ふんっ」
舌を絡ませたまま笑ったので、どうやら驚いたらしい聖は反射的に高須賀の舌を噛む。それは血が出るほどの強いものではな
かったが、歯を立てた聖の方が途端に苦しそうな表情になった。
こんなことくらい、愛撫の一環として考えればたいしたことではないのだが、多分聖はそんな風に思えないのだろう。
高須賀は大丈夫だというように、更に濃厚に聖の舌を絡め取ったが、
「んんっ!」
いきなり、重なった口の中で聖が大きな声を上げたのでキスを解いた高須賀は、聖の足先を口に含んで舐めている息子の姿
を見付けた。
「亘」
邪魔をしたなと苦笑すれば、亘はペロッと足の甲に舌を這わせて高須賀を睨んでくる。
「勝手に盛り上がったのはそっちじゃない」
「ああ、それは悪かった。聖があんまり可愛かったからな」
「そんなの、僕も思っているよ。聖君は父さんだけの花嫁じゃない、僕のものでもあるんだから、ちゃんと所有権は主張させても
らうからね」
きっぱりと言い切った亘は、白い聖の素足に舌を這わした。
父の部屋に入っていきなり、父はまるで当然のような顔をして聖に口付けを仕掛けた。
聖の相手は自分しかいないとでも言うような態度にムッと頭にきた亘は、押し倒された聖の爪先を口に含み、ねっとりと舌を絡め
始めた。
風呂に入った聖の身体はどこもかしこもほのかな石鹸の香りがしたが、亘はどんなに汚れた身体でも自分が舌を這わせて清め
ることが出来ると思えた。
(可愛い、聖君)
父のキスにではなく、自分の舌に感じて身体を震わす聖に、亘が何をしているのか気付いた父が顔を上げる。
「亘」
「勝手に盛り上がったのはそっちじゃない」
聖は2人の所有物だと忘れている父が悪いのだ。
「ああ、それは悪かった。聖があんまり可愛かったからな」
「そんなの、僕も思っているよ。聖君は父さんだけの花嫁じゃない、僕のものでもあるんだから、ちゃんと所有権は主張させても
らうからね」
そう言った亘は、短いドレスから伸びている聖の白い足にゆっくりと舌を這わし始めた。
白いドレスの下、黒いガーターベルトが妙に艶かしく映るものの、聖の足はまだ可哀想なくらい細くて、自分や父を受け入れること
が出来るのかと思うが、今日までなんとか待ったのだ、どうしても今夜、聖を自分のものにしたい。
「んっ」
感じるというよりもくすぐったいのか、聖が小さな声を上げた。亘は笑みを漏らし、そのまま舌をずっと上まで動かして、
「うわっ!」
剥き出しの小さなペニスをパクッと口に含んだ。
「わっ、わたっ、亘さっ!」
クチュ チュプ
先ずは慣らすため、唇で扱くようにゆっくりと頭を上下させる。
小さかった聖のペニスはたちまち勃ち上がって、亘の口の中で存在を主張し始めた。
(ああ、もう感じている)
まだ愛撫に慣れない聖は簡単なフェラチオだけでも容易に上り詰め、ペニスは今にも精を吐き出しそうなほどに膨らんでくる。
亘は父よりも先に聖の精を味わってやろうと愛撫を濃厚にし、逃げようとする聖の腰をしっかりと掴んで押さえつけると、強くその
先端を吸った。
「・・・・・っ!」
強烈な刺激に、聖は呆気なく射精してしまった。それも、亘の口の中で、これが初めてではないものの、どうしても恥ずかしくて
溜まらず、聖は目尻に涙を浮かべてしまう。
「ご、ごめんなさい・・・・・」
「いいんだよ、聖君、僕が飲みたかっただけだから」
「・・・・・っ」
顔を上げた亘の薄い唇が白く汚れていた。
聖はとっさに拭かなければと辺りを見回したが、その前に亘は自分の舌でゆっくりと唇についていたものを舐め取る。
なんだか、それだけで自分の下半身が疼くような感じがして、聖はだらしなく開いていた足を慌ててドレスで隠した。
(お、俺っ、嘘だろっ?)
今射精したばかりだというのに、もう自分のペニスはゆっくりと勃ち上がろうとしている。
そんな淫らな様はとても知られたくないと思ったのだが、経験豊富な2人の男は、そんな聖の変化も予想済みなのか、笑いなが
ら左右から手を伸ばし、あれほど着るのが難しかったドレスを簡単に脱がせていく。
「まっ、待ってっ、待ってください!」
「待てないな、聖。あんなに可愛い顔を見せられたら、俺も可愛がってやりたくなる」
「た、高須賀さん・・・・・」
「そうだよ、聖君。まだ結婚式は始まったばかりなんだから」
「わ、亘さ・・・・・ふむっ」
そう言いながら重なってきた亘の唇に次の言葉は飲み込まれ、聖はそのままベッドに仰向けに倒され、大きく足を開かされて、
濡れた下半身を明るい光の中に晒されてしまった。
(ま、まだっ、はや、い!)
2人は、随分と長い間この日を待っていたと言う。
その気持ちからしたらこの行動は早くないのかもしれないが、聖はもう少しゆっくりとして欲しくて、必死に覆いかぶさってくる高須
賀の背中をドンドンと叩いた。
(聖?)
聖が必死に自分の背を叩いている。
今更止めて欲しいというのかと顔を見つめたが、聖はうっすらと涙が浮かんだ目を向けてきた。
「どうした?」
「は、はや、く・・・・・て」
「・・・・・ああ、そうか」
(聖はさっき決心がついたばかりなのかもしれないな)
抱くとはっきり言葉で告げたのが昨日で、リミットは今日の深夜0時。それほど短い間で、男の花嫁になる、男に抱かれるという
決意を固めたのは究極の選択と言ってもいいだろう。
そんな聖の心の動きと、これまで自分や亘が溜めていた想いの比重は少し違っていて、聖にしたら少々早過ぎる展開なのかも
しれなかった。
「亘」
息子の名前を呼ぶと、亘は少し不満そうな眼差しを向けて来た。
「ゆっくりしよう」
「え?」
「聖が怖がってしまったら、今日の意味が無いだろう?」
快感に蕩けさせ、身体を開くことは可能かもしれないが、それでは本当に心から聖が自分達を受け入れてくれたとは言い難い。
せっかくここまで来たのだ、高須賀は自分や亘だけではなく、聖にもこの関係を望んでもらい、楽しんでもらいたかった。
「お前だって、聖が気持ちいい顔をしてくれる方がいいだろう?」
「・・・・・」
亘は自分の顔を見、続いて聖の顔を見る。
涙を浮かべた眼差しに少し眉根を寄せた亘は、ゆっくりと頷いてみせた。
聖が泣いている。さすがにそれが快感のためだけではないということは亘も分かった。
「・・・・・ごめんね、聖君」
軽く目尻に唇を落とすと、聖はパチパチと瞬きをし、小さくいいえと呟くように言って・・・・・笑みを浮かべてくれる。こんな時にも自
分や父に気を使ってくれているのだと思うと可哀想だ。
「嫌なことは、嫌だって言っていいんだよ?」
「・・・・・え?」
「ただ、それでも僕達は止まらないだろうけど、出来るだけ優しくしたいと思っているから」
そう、ここまで来たら止まらない。亘のペニスは既に緩やかに勃っていて、これを自分で慰めて終わりということは出来ない。
出来るだけ優しく、先ずは聖の快感を高めてやろうと思った。止めることは出来ないが、それくらいはしてやれる。なにより、相手は
愛しい相手なのだ。
「だから、聖君も僕達を信頼して」
「・・・・・」
「大好きな君に、酷いことなんてしないから」
「亘さん・・・・・」
「ね?」
亘は聖の頬にそっと手を触れる。
ゆっくりと唇を近付けていくまで聖の目を見つめ続けたが、自分の顔が目の前に迫っていても、聖は・・・・・避けることは無かった。
チュ
「ん・・・・・っ」
亘の唇が触れる。しかし、今の聖の心の中からはかなり恐怖心というものは消えていた。高須賀と亘、2人の気遣いがとてもよ
く伝わってきたからだ。
いざという時になって、一々煩く言ってしまう自分の方がルールを知らない子供のはずなのに、そんな自分をそのまま受け入れ
てくれるという2人の言葉が嬉しかった。
チュク ピチャ
亘とのキスは次第に深いものになって、聖は差し込まれた舌に自分の舌を絡め、亘に応えようと必死になる。
キスをしながら頬や髪に触れてもらうのも嬉しくて、聖が目を閉じてその快感に身をゆだねていると、胸元に滑りこんできた冷たい
手に乳首を摘まれ、聖はピクッと身体を震わせた。
「大丈夫だ」
その反応に、直ぐに耳元で囁いてくれたのは高須賀だ。
自信に満ちた堂々とした物言いに自然と気持ちは落ち着いて、聖の意識は再び深いキスを交わしている亘へと向く。
「んっ」
たっぷりと唾液を交換し、ようやくキスを解かれると、少しだけ上半身を持ち上げられ、背中のファスナーを下された。
「・・・・・っ」
寒くないのに、なぜかブルッと身体が震えたのは、自分の裸身が赤々とした光の中、2人の目に晒されてしまうからだ。
(は、恥ずかし・・・・・)
2人に比べればまだまだ子供の身体。見られてしまうのは恥ずかしくてたまらないが、ドレスを着たままの方がもっと恥ずかしく
て、聖はスルッと肌を滑って落ちるドレスの感触に目を閉じて耐えていた。
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