赤く火照っていた聖の顔が、見事に青褪めてしまったのに高須賀は苦笑を零した。
(まあ、名誉なことではあるのかも、な)
男にとってペニスが大きいというのは自慢になりこそすれ、恥じることではない。ただ、セックスをする時に、少々てこずることもない
わけではなかった。
 特に、セックスをすることが今日が初めての聖にとっては、高須賀の大きさはかなりの恐怖であろうし、入れるのも簡単ではない
だろう。
(先に、亘に入れてもらって良かったかもな)
 聖の初めての男という権利を譲ったのはもちろん面白くないが、それでも自分が初めに抱いていたら、きっと聖は気を失っただろ
うし、受け入れる場所も傷付いたかもしれない。
 「聖」
 「た、高須賀さ・・・・・、あ、あの、俺っ」
 「安心して俺に任せろ。だてに歳はくっちゃいないって」
 「そ、そーいう問題じゃな・・・・・んっ」
 これ以上話をした所で、言葉で聖が納得するとは思えなかった。
それならば、今亘の精液で中が濡れ、入口も僅かに綻んでいる今、少々無理をしても挿入した方がいい。どうせ、止めてやるこ
となど出来ないのだ。
 「今以上に、お前の中を濡らしてやるよ」



 「父さん、ゆっくりしてやってよ」
 自分の声が届いているのかどうか、亘は早速聖の身体にのしかかる父に言った。
 「ああ、分かってる」
 「・・・・・1回だからね」
 「はは、それ以上したら聖が失神するんじゃないか?」
それだけで済めばいいけどと思いながら、亘は眼下の聖の顔をじっと見つめる。幼い顔に浮かぶ怯えたような表情が可哀想で仕
方が無いが、自分だけが挿入して父には寸止めということはとても言えなかった。
 「聖君」
 「わ・・・・・たる、さ・・・・・」
 「大丈夫、父さんは上手いから」
 きっと、聖にとってはそんな問題ではないだろうが、ここで父を受け入れてくれないとこれからの自分達の関係が不安定なものに
なるかもしれないだろう。
(それは、困る)
 いくら経済的に自立しているとはいえ、大学生の自分はまだ親の庇護下のままだ。親に対して強く出ることが出来ないのがこん
な時に悔しいと思いながら、亘はもがこうとする聖の肩を押さえ付けた。



(ぜ、絶対に、壊れる・・・・・!)
 止めてと、絶対に無理だと言いたいのに、声は喉にはり付いたまま出てこないし、身体も思ったほどに動かせなかった。
頭上では亘が自分の肩を押さえ付け、足元では高須賀が自分の足を大きく広げている。
 「・・・・・っ」
 怖いほどに大きなペニスが、先程まで亘をのみ込んでいたそこに押し当てられた。
熱くて、硬い。
 「聖、身体に力を入れるな」
 既に勃ち上がっていたペニスを、何度も自分のそこにこすり付けながら、高須賀は反応を確かめるように顔を見つめてくる。
こんなグチャグチャな顔、絶対に見られたくなかった。
 「お、お願、もう少し・・・・・っ」

 チュク

先端が、少しだけ入り込んでくる。
 「ひ・・・・・っ」
 「一気に行くぞ」
 「そ、そんなっ」
絶対に無理だという言葉は、自分自身のあげた悲鳴でかき消されてしまった。

 凄まじいほどの圧迫感と。
目一杯広げられてしまう痛み。
そして・・・・・熱さ。
 先程、初めて男を受け入れた時の衝撃は物凄くて、自分の身体が大きな波にのまれてしまったような気がしたが、今この瞬間
は、嵐に巻き込まれたかのように翻弄され、なすすべもなく揺られているしかなかった。
 「ふ・・・・・うっ」
(いた・・・・・い・・・・・っ)
 ピリピリと感じる痛みは、もしかしたら切れているのかもしれないと思うが、それを確かめるのは怖くて出来ないし、もしも血が流
れていたとしたら、それこそ意識を手放してしまいかねなかった。
 一方で、痛みの中に微かに感じる快感の種。初めに亘を受け入れたからこそ、痛みだけではない感覚を自分に植え付けてい
るのかもしれない。
意識していないまま、自分の身体が作りかえられているような気がする・・・・・聖は怖くて仕方が無くて、自分を責め苛んでいる男
の腕に助けを求めるかのように縋るしかなかった。



 想像以上の狭さに、高須賀は額に汗を滲ませながら眉を顰めた。
まだペニスは半分以上入っていないが、聖の中の狭さは、このまま押し込んでも大丈夫なのかと思ってしまうほどだった。
(仕方ない、ゆっくりとするか)
 高須賀はいったん挿入を止めると、今度はゆっくりとペニスを引き出す。
 「ぐうっ」
先端だけを残して引き抜くと、今度は入れていた部分まで差し入れる。
ゆっくりと、ゆっくりと。細心の注意を払いながらペニスを動かしていた高須賀は、その出し入れを繰り返すたびに少しずつ入れる
部分を多くしていき・・・・・やがて、
 「聖、全部入ったぞ」
 「・・・・・う、嘘」
 「本当だ、ほら」
 何回繰り返したか分からない行為ののち、高須賀はぎっちりとくわえ込まれ、激しい抵抗をされながらもペニスの竿の部分を全
て入れ終えた。ここまで、15分近く、時間は経っている。
 聖は全てを受け入れたことが信じられなかったらしく、必死に首を横に振っていたので、高須賀は今の状態を教えてやるために、
自分の下生えと触れ合っている聖の尻に、パシッと腰を当てて音をたてた。
 「ほら、な」
 さすがに、高須賀の息はあがっていたが、その様子を聖には悟らせないように、何時もの自信たっぷりといった様を見せ付けなが
ら言う。
 「・・・・・う、そ・・・・・」
 「俺のを上手に飲み込んでいる。聖は上手いな、いや」
単に、淫乱なのかとからかうように言うと、そうでなくてもペニスをきつく締めつけているそこがキュウっッと締まった。



 あんなに大きなものが自分の身体に全て入ったのなんてとても信じられなかった。
しかし、尻に触れているくすぐったい感触は確かに高須賀の下の毛で、そこが自分の尻に触れているということは、ペニスが全て中
に収まったという証拠に他ならなかった。
 ジンジンと熱く、苦しいほどに腹を押し上げてくる存在。
その鼓動までも身体に直接感じ取れ、聖はブルッと身体を震わせる。
 「どうだ?」
 「ど・・・・・って?」
 「気持ちいいだろ?」
 「!い、痛い、ですっ」
 快感なんて、本当に僅かに感じ取れるだけで、ほとんどの感覚は痛みだ。いや、熱さか。
(気持ちいいなんて、絶対に無いよ!)
 「・・・・・」
しかし、聖の顔をじっと見下ろしていた高須賀は、不意にふっと笑みを深めて聖の唇へとキスをしてくる。それによって、中に収まっ
ているペニスの角度が変わってしまい、
 「・・・・・っ」
その感覚に、聖は思わず自分の口の中の高須賀の舌を噛んでしまった。
 「・・・・・っ」
 男くさい眉が顰められる。
しかし、高須賀は直ぐにキスを解こうとはせず、かえって濃厚に舌を絡めて来て、やがてキスは血の味がしてきた。倒錯的な行為
に、聖は恐怖と同時に妙な快楽を感じてしまう。
(う・・・・・そだ・・・・・っ)
 高須賀のペニスを受け入れている自分のそこが、ヒクヒクと蠢いて高須賀のペニスに絡みつき、貪欲に快感を探り始めているの
が・・・・・怖かった。



 蕾の皺が目一杯広がり、父の赤黒いペニスを受け入れている。
さすがに全ては無理なのではないかと思っていた亘は、その光景に感心したように息を吐き、無意識のうちに手を伸ばして、2人
が結合している箇所に指を触れさせた。
 「!」
 「凄い、聖君」
 「んっ」
 「父さんのを全部受け入れるなんて、君、名器かもしれないよ」
 「・・・・・っ」
 父のキスを受け入れながら、聖は亘の揶揄するような言葉に全身を赤く染めている。その様が妙に艶めかしく、亘は2人の吐き
出している液で濡れた指先を、今度はツンと立ち上がった乳首に触れ、摘みあげた。
 「!」
 「・・・・・っ、亘」
 聖の腰が揺れ、父が少し責めるように名前を呼んでくる。乳首に触れただけで感じてしまったらしい聖が、身体の中の父のペニ
スを強く締め付けたのだろう。
(仕方ない、聖君のそこは狭いんだから)
 自分も味わったばかりの聖の内部。気持ちがいいのは勿論だったが、まだ狭くて硬くて、攻め入るこちら側も苦痛を感じてしまう
ほどだった。
 自分でさえそう感じてしまったのだ、父ならばさらに痛みを感じているはずだ。
(今日は仕方ないよな)
これから先、何度も抱き、青い身体を開発していけば、その狭さも快感だけに変わるだろう。
(大好きな聖君の身体だもんな、毎日でも抱きたいよ)



 ズチュ クチュ

 締め付ける内部を無理に押し広げるようにペニスを動かしながら、高須賀は次第に聖の中が蕩けていくのを感じていた。
もちろん、まだペニスを締め付ける中の狭さは変わらないものの、それでも内壁の蠢きは痛みよりも快感を与えるように変化して
いるのだ。
 「あっ、んっ、んっ」
 聖の唇から零れる苦痛の声は次第に甘くなっていて、自分の肩に食い込む爪の痛みも大きくなった。
亘は乳首に悪戯していて、ペロペロと舐めている。広いベットの上で絡み合う3人の肢体・・・・・とても、他の人間には見せられな
い痴態だった。
 「ひじ、りっ」
 「あっ、あっ、あっ」
(・・・・・だいぶ、解れて来たな)
 高須賀は、ゆっくりと出し入れするだけだったペニスの動きを、左右前後、グラインドするように変化させた。
これまでの悪戯の中で既に見付けていた前立腺の場所をペニスの先端で突けば、キュウキュウとペニスを締め付けてくる聖の内
壁が心地良い。
(もっと、抱いていたいが・・・・・)
 自分の前に亘に抱かれている聖の身体は、もう限界に近いだろう。
今日が最後ではない、これからもこの甘い身体を抱くことが出来るのだと思えば、そろそろ解放してやった方がいいかもしれないと
思い、高須賀は自分の腹に擦りつけられている聖のペニスを掴んだ。



 「ひっ!」
 身体の中を擦る高須賀のペニスと、自分のペニスを擦る手の動きがリズム良く自分を追い立てていく。

 クチャ クチャ
 ズッ ズッ


もう、何が何だか分からなかった。痛みだけで無い感覚が自分の全身を包み、聖は今自分がどんな状態になっているのか全く分
からない。
 「聖っ」
 「聖君」
 それでも、自分の名を呼ぶ2つの声の主が、自分を本当に想ってくれているというのは心に、そして身体にもよく伝わった。
自分は、この2人に必要とされているのだ。
 「・・・・・んっ!」
 ペニスを擦る手は淫らで、巧みで、たちまち聖は追い詰められ、我慢出来ずに快感の証を吐き出してしまう。
 「・・・・・っ」
すると、イッた拍子に自分の中の高須賀のペニスも締め付けたらしく、耳元で小さく息をのむ気配がしたかと思うと、身体の奥深く
に熱い迸りが掛けられたことが分かった。
(高須賀さん・・・・・イッたんだ・・・・・)
こんな貧弱な子供の・・・・・男の自分の身体で、高須賀も亘も、男の快感の証を聖の身体の中に吐き出した。
(これ、で・・・・・俺、2人の花嫁・・・・・に、なった・・・・・?)
 当初は、怖くて、どうしても男として受け入れ難かった関係なのに、今既成事実を突き付けられて心のどこかで安堵している自
分が確かにいる。
 もう、自分もこの家の一員になったのかもしれない・・・・・聖はそんな風に思ってしまった自分の気持ちを不思議に思いながら、
何時しか気を失うように深い眠りに落ちてしまった。