異国の癒す存在
26
『』は中国語です。
何時もよりも少し性急で乱暴な愛撫に、真琴は海藤も現状に何らかの不安を感じているのではないかと思った。
揺れている自分の心を見つめることで精一杯で、一番に考えなければならない海藤の感情を置いてきぼりにしてしまって
いたことを後悔する。
(俺がジュウさんのことを言うたびに、海藤さん・・・・・嫌だったんだろうな・・・・・)
そう思うと、真琴は思わず海藤の背中にしがみ付いている指先の力を強くしてしまった。
「真琴」
「・・・・・」
「お前が今考えるのは何だ?」
直ぐ近くから見下ろされ、真琴は思わずコクンと唾を飲み込んだ。
「か、海藤さんの、こと」
「俺のことなんていい」
「で、でも・・・・・っ」
「自分が気持ち良くなることだけを考えろ。他は何も考えなくていいから」
海藤は真琴の服を手早く脱がし、その素肌に唇を落とした。
自分がかなり焦っているのは自覚しているが、それでも真琴を怖がらせたり傷つけたりだけはしない。
一番初めの、あの暴力的なセックスは、真琴と同様・・・・・もしかしてそれ以上に海藤に影を落としているのだ。
(愛してるという事だけでは・・・・・免罪符にならない・・・・・)
真琴はあんなに卑怯な真似をした海藤を許し、尚且つ愛してくれるようになった。
しかし、人を・・・・・それは男女問わず、暴力で支配出来ることを知っている海藤にとって、他の人間も自分がしたように
真琴を手に入れようと画策することを完全に止めることは出来ないということなのだ。
もしも、何らかの暴力で真琴の身体が汚されたとしても、もちろん海藤は真琴を愛し続けるし、手放すことなど考えな
い。
だが、真琴自身が負い目を感じて離れようなどと思ってしまえば・・・・・いや、そもそもその相手が真琴の身柄をそのまま
離さなければどうなるのか。
(・・・・・絶対に、させないっ)
ジュウが自分よりも遥かに力がある立場だと分かっている。
それでも海藤は、絶対にこの手を離さないと強く誓った。
「あっ!」
自分が求めているように、真琴も自分を求めてくれているようで、何時も以上に真琴は敏感に海藤の愛撫に応えた。
小さな乳首は舐め濡らしただけでも硬くツンと立ち上がって、真琴はもっとと胸を反らして海藤の口に押し付けてくる。
腹の辺りに濡れた感触があるのは、既に勃ち上がった真琴のペニスが海藤の腹を突いているせいで、海藤は焦らすこと
なくペニスを握った。
「まっ、待って・・・・・っ」
「どうした?」
「お、俺も、します」
「真琴・・・・・無理をしなくてもいい」
「し、したいからっ」
そう言った真琴は海藤の胸を少し押してその身体の下から逃れると、ゆっくりと海藤を押し倒した。
「あんまり、じょ、上手じゃ、ないんです、けど」
海藤の腰を跨いで逆向きになった真琴は、そのまま自分の目の前に来た海藤のペニスを両手でそっと握る。
「・・・・・っ」
緩やかに勃ち上がっていた海藤のペニスは、真琴の手の感触に更に勢いを増した。
(お、おっきい・・・・・)
これでもまだ、完全に勃っているわけではないのだろう。
真琴は両手で掴んだ海藤のペニスの先端に、恐る恐る口を付けた。
(・・・・・苦・・・・・)
まだ我を忘れていないせいか、その味を好ましいものと思えなかったが、それでも真琴は嫌だと思わなかった。これは、自
分の中を奥深くまで突き刺し、何も考えられなくなるほどの快感を与えてくれるのだ。
普段はなかなか愛撫をし返すということが出来ないだけに(その前に我を忘れてしまう)、真琴はまだ自分の意識がはっき
りとしている今、何とか海藤に感じてもらうように愛撫を返そうとした。
「はむ・・・・・っ」
(ぜ、全部入らない・・・・・)
慣れているわけではない行為なので、何時も海藤が自分にしてくれるようにしようと思ったのだが、もともとのサイズが違
うので、海藤のペニスは真琴の口には入りきらなかった。
「ふっ、むぅ・・・・・っ」
初めは、舌や唇でペニスを育てようとしたが、あまりに口の中が一杯一杯で思うように動かない。
真琴は諦めていったんペニスを口から出すと、まるでアイスクリームを舐めるように竿に舌を絡め始めた。
「ふっ、んっ、んんっ」
少しずつ、ペニスの角度が変わり、大きくなっていく。
自分の拙い愛撫で海藤が感じてくれているのだと思うと嬉しくて、真琴は更にペロペロと舐め、先端部分だけを口に含ん
でそっと噛む。
もっともっと海藤を感じさせたい・・・・・そう思った真琴は、
「ひゃあっ!」
いきなり下半身に強烈な刺激を感じて声を上げてしまった。
真琴が自分のペニスを口に銜え、必死に愛撫を続けている。
もちろんそれは海藤が今まで経験した中ではかなり下手だが、今までで一番心が感じていた。
「・・・・・」
真琴はペニスに与える愛撫に夢中になっているようで、海藤の目の前で白く小さい尻を僅かに揺らしていることにはまだ気
付いていないようだ。ペニスも既に勃ち上がっていて、先端から雫を零している。
海藤は自分の腹を濡らす真琴の先走りの液を指先ですくうと、左手で細い腰を掴み、濡れた右手の指先をいきなり
真琴の尻の蕾に突き刺した。
「ひゃあっ!」
さすがに抵抗があり、指先は一度に根元までは入らなかった。
それでも海藤は内部に入った指で内壁を擦り、少しずつ、奥へと入れていく。
「か、海藤さ・・・・・っ」
「どうした、続けてくれ」
「だ、だって、そんなふうにされる、と・・・・・ああっ」
海藤は片手でぐっと真琴の腰を落とさせると、指を差し入れている蕾に舌を這わせ始めた。真琴の愛撫を感じたいのも
確かだが、早く熱いこの中へとペニスを突き刺したいのも事実だ。
唾液を舌で運んで蕾の中を濡らし、海藤は入れている指を増やしていく。
既に真琴は、海藤のペニスから唇を離し、震える手で握り締めることしか出来なかった。
グチュ グチャッ
そんな粘膜と水音の絡む音と。
パンッ パシッ
肉体がぶつかり合う音が寝室の中に響いていた。
向かい合い、しっかりと抱き合って、海藤は奥に奥にと真琴の身体の中を犯していく。
真琴の想いそのままに、内壁は海藤のペニスに絡みつき、絞り込んだりうねったりと、様々な快楽を与えてくれていた。
愛しくて、愛しくて、仕方が無い。
「・・・・・っ」
海藤は更に真琴の腰を抱え直し、無理な体勢とは分かっていてもそのまま真琴の唇を奪った。
苦しい体勢に息を荒くしながらも、真琴は必死で押し入ってきた海藤の舌に舌を絡ませ、首に腕を回してしがみ付いてく
る。
セックスという生々しい行為をしているのに、真琴は何時まで経っても海藤にとっては触れるのを躊躇ってしまうほどに清
らかな存在で、こうして自分の欲望をぶつけることも、本来は可哀想でたまらない。
それでも、何時も、何回も、海藤の全てを受け止めようとしてくれる真琴に、海藤は甘えることしか出来なかった。
「はっ、あっ、あっ」
「まこ、とっ」
最奥に突き入れたペニスから噴き出した熱い精液が、真琴の身体の中を濡らしていく。
「・・・・・っ」
こんなに愛おしい相手を、他の人間の手に渡すことなど出来るはずがない。
海藤は一度の放出で萎えることが無かったペニスで、再び真琴の中を犯し始めた。
自分の全てを真琴の中に注ぎ込む・・・・・今はただ、海藤は真琴と溶け合うことしか考えられなかった。
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