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「んあっ」
一度射精をしたせいか、日和の身体は既に柔らかく解けて、蕾に差し入れた秋月の指を柔軟に受け入れていた。
もちろんそこが緩いというわけではなく、女の膣とはまた違った強烈な締め付けがあるものの、熱く蠢く内壁はこれから自分のペニ
スを突き入れた時の快感を容易に想像させてくれる。
一度ここを味わうと、もう女の身体では満足出来なかった。
いや、それは男女の違いというわけではなく、相手が日和だからという事実が大きいのだろうが。
「ほら、もう2本」
「んんっ」
こんな小さな場所によく自分のペニスが入るものだと毎回感心してしまうが、多分、自分以外のペニスは日和のここには入らな
いような気がする。それだけ、許されているのは自分だけだと、秋月は指に絡みつく襞を押し返すように愛撫しながら思っていた。
「3本目」
「あ・・・・・き、づき、さ・・・・・」
「ん?」
「あ・・・・・の、ゴ・・・・・え・・・・・と、避妊、具・・・・・」
「ゴム?どうした、急にそんなことを言い出して?生の方が気持ちいいことはお前も知っているだろう?」
初めから、例えどんなに薄い膜でも、自分と日和の間に遮る何かがあるのは面白くなかった。
日和は自分が初めての相手で病気を持っていないことは分かっていたし、秋月も誰かと寝る時は何時も避妊具を着けていたの
で当然病気は持っていない。
そんな2人の間にそれはとても必要だとは思えなかった。
「日和」
自分がそんなことを言っているという事実も恥ずかしいのか、日和は顔を赤く染めたまま何も言わない。
秋月は日和の体内に埋めた指で、ぐりっと内壁を刺激した。それだけで飛び跳ねそうになる身体を自分の身体で押さえ、秋月
は更に責めるように内壁を指の腹で押さえ、爪先で引っ掻く。
「日和」
「あ・・・・・と、友達、が、え、エッチ、する時は、そうするのが・・・・・相手に対す・・・・・る、思いやり・・・・・って」
「なるほど」
(ガキの言い訳だな)
男なら、生でした方が気持ちがいいということは本能で分かっているはずだ。それをあえてしないのはセックスの相手が(ほぼ女だ
ろう)妊娠しない為だ。経済的にも社会的地位もまだ無い高校生が、生のセックスが出来ない言い訳を、相手を思い遣るという
言葉にすり替えただけのことだろう。
(こいつのダチか・・・・・調べておく方がいいな)
余計な知識を吹き込まないように、それ以上に、万が一にでも日和に手を出さないように、早めに手を打っていた方がいいのか
もしれない。
「生でするのは、お前に本気だからだ」
「え・・・・・」
「お前が仮に妊娠しても、ガキごとお前を引き取る覚悟は出来ているからな」
「お、俺、男・・・・・」
「何時だって、もしもってことはあるんだぞ」
ニッと笑った秋月は、目も口も驚いたように開いた日和の頬にちゅっと口付けをした。
(何、言ってるんだろ・・・・・?)
「お前が仮に妊娠しても、ガキごとお前を引き取る覚悟は出来ているからな」
男が妊娠した話なんて聞いたことが無い。ありえるはず無いのに、どこかで胸が弾んだ気がしたのはなぜなのだろうか。
そこまで自分を想ってくれているのだと思うと何だかドキドキして、日和は真っ直ぐに秋月の顔が見れなくなってしまう。
(ご、誤魔化されるな、俺・・・・・っ)
「日和」
それでも、甘えるように名前を呼ばれてしまうと、日和は無意識のうちに秋月の背中に手を回してしまう。それも、秋月にこうす
るものだと教えられた通りの行動だ。
「ん・・・・・っ」
唇を重ね、進入してくる舌に何とか自分の舌を絡ませて、自分の中で探るように動いている指を締め付ける。こうすると、日和
も、そして秋月も気持ちがいいのだと分かっているのだ。
(俺、流されちゃってるの・・・・・かな)
秋月の言葉に踊らされているだけなのかもしれないが。
「は・・・・・んっ」
身体に感じる快感に嘘はつけない。
「や・・・・・んっ、はっ」
「日和」
名前を囁かれながら首筋をペロッと舐め上げられ、何時の間にか指が増えている。少し引き攣れた感覚があるが、それでも自
分のそこは柔軟に秋月の指を受け入れていた。
クチュ クチャ
艶かしい水音が耳に響く。次の瞬間、
「!」
いきなり蕾に埋め込まれた指が引き抜かれ、ぐっと身体を折り曲げられたかと思うと、代わって柔らかく熱い何かが蕾の中に入り
込んできた。
それが何なのか、日和の身体はもう知っていた。
汚れているからと、まるでうわ言の様に言っていた日和の言葉は全て無視をした。日和の汗も、涙も、涎も、精液も、日和の身
体から出たものならば何でも美味しく、綺麗だと思う。
男の肛孔に口をつけるなど、日和に会う前の秋月ならば考えたことも無かったが、今ではここが自分と繋がる大切な場所だと思え
ば愛おしくて仕方が無かった。
「んっ、んっ」
指と同じように舌も強烈に締め付けられ、早くここにペニスを押し込みたいと思う。ローションを使えば早いのだが、出来るだけそ
んなものは使わず、互いの吐き出したものと唾液だけで、何とかそこを柔らかく解したかった。
「あっ、な・・・・・ん、かっ」
「・・・・・」
「そこ・・・・・じゃ・・・・・」
「・・・・・」
もぞもぞと腰を動かし、焦れたような呻き声を上げている。どうやら先程指が入っていた所までは舌が届かなくて、そのじれったい
刺激がたまらないのだろう。心が追いついていなくても、日和の身体は既に秋月を欲しがっている。
秋月は舌を引き抜き、ペロッと唇を舐め濡らすと、先走りの液を零している自分の勃ち上がったペニスを数度擦り、そのまま蕾に
先端を押し当てた。
「あ・・・・・」
クニュ
「ひあ!」
竿の部分を手で支えてグッと先端の太い部分をめり込ませると、体重を掛けてゆっくりとペニスの全てを押し込む。
「ふぁ・・・・・んっ!」
「・・・・・っ」
(あ・・・・・つい・・・・・っ)
ねっとりと、ペニスに内壁が絡み付いてきて、そのあまりの締め付けに秋月は眉を顰めた。しかし、その痛いほどの締め付けは深
い快感と連動していて、秋月のペニスは日和の中で更に勢いをつけていく。
「・・・・・っ」
「動くぞ」
根元まで埋めたペニスをゆっくりと引き出せば、ペニスは粘液でテラテラと輝いている。
白い尻と開ききった蕾。それとは対照的に卑猥な色で血管まで浮き出て醜い欲望を体現している自分のペニス。これだけを見
ても犯しているという表現がピッタリだと思うが、それでも、秋月は日和に欲しがられていると思うだけで嬉しい。
それがたとえ、正常な思考ではなくても。
クチャ ズル パンッ パシッ
濡れている内壁に、先走りの液を流しているペニスが出入りする水音と、日和の尻と秋月の腰がぶつかる、身体の音と。
様々な擬音が部屋の中に響いて、耳を塞ぎたくなるほどに恥ずかしいのに、秋月の腰の動きに合わせて腰を動かしている自分
がいる。
「こ・・・・・なのっ、ちが、う!」
「・・・・・違わ、ないっ」
「お、俺、こんな、エッチなんてっ、したっ、したくない、のに!」
「こんなに身体は喜んでいるぞ、日和、お前は好きなんだよ、セックスが、いや、俺に抱かれることがっ」
「そ・・・・・っ」
(そんなこと、あるはずがない!)
こんな風にセックスをするのは秋月が望んでいるからで、日和は男と、秋月とセックスしたいとは思っていないはずだ。
ただ・・・・・手を伸ばされれば拒めない。口付けをされれば、力が抜けてしまう。秋月の行動が日和から抵抗するすべを全て奪っ
てしまうので、何時の間にかこの身体は陥落してしまうのだ。
「はっ、あっ、あっ」
太いペニスの切っ先で、内壁を抉るように愛撫されるのが気持ちいい。
自分の身体が、自分のものでなくなってしまうのが、怖い。
大きな手で、ペニスを包み込まれて扱かれると、腰が解けそうになってしまう。
自慰だけで満足出来なくなってしまいそうで、怖い。
恐怖と快感が同時に日和に襲い掛かり、日和はどちらの感覚を追いかけて行けばいいのか分からなくなってしまいそうで、無
意識のうちに縋るように秋月にしがみ付いてしまうのだ。
「んっ!」
その途端、強く抱きしめられ、腰の密着も深くなる。中に入り込んでいるペニスの角度も変わって、日和は情けなくも再び精を
吐き出してしまった。
「・・・・・っ」
その瞬間の締め付けのせいか、耳元で秋月の息をつめる音が聞こえたかと思うと、
「・・・・・あ・・・・・」
(だ、出され・・・・・ちゃった・・・・・)
身体の奥深くが濡らされていく・・・・・日和はその刺激に、再び自分のペニスが勃ち上がっていくのを感じた。
一度の放出では当然萎えない秋月のペニスは、そのまま再度日和の身体を喰らい始める。
中で出した精液が潤滑剤の代わりになって、先程よりも動きがスムーズになっている。それでも内壁の締め付けが強いのは相変
わらずで、ペニスは擦られてドンドン大きくなっていった。
「んっ、あ・・・・お、き・・・・・っ」
「気持ちが、いいだろっ?」
「い、息が、くる、しっ」
「嘘をつくな、日和、お前の身体は喜んで俺を締め付けてるっ」
揶揄するように言うと、日和は泣きそうな眼差しを向けてくる。その表情は子供のように頼りなく、憐憫の情をもよおすが、同時
に更に苛めて泣かせたいとも思わせる。
好きな相手を苛める子供のような自分の態度に苦笑が零れそうだが仕方が無い。秋月にとって日和はそんな感情を呼び起こす
存在なのだ。
「あっ、あっ、あっ」
「・・・・・っ」
「き・・・・・っ」
「んっ?どうした、どうなんだ?」
「き、もち・・・・・い・・・・・っ」
秋月の頬に笑みが浮かんだ。
(身体はもう、堕ちてるな)
日和の身体は、日和自身が認めなくても、もう秋月のものだった。今まで何度注ぎ込んだか分からない精液は、既に日和の内
壁に、身体に沁み込んでいる。
「お前は、俺のものだなっ?」
「・・・・・っ」
「どうなんだ、日和っ」
ぐっとペニスを奥に奥にと差し込みながら言うと、日和はとうとう涙を流しながらコクコクと頷いた。
「お・・・・・れ、秋、づ・・・・さ・・・・・も、のっ」
「いい子だな」
唇を重ね、息さえも出来ない程に口腔の中を犯しながら、同時に内壁も思う様に蹂躙していく。
飲みきれない唾液が日和の唇の端から零れているのと同じように、抜き差しを繰り返す日和の肛孔からは泡立てられた精液が
僅かずつだが滲んで零れだしてきた。
「ふぁっ、あっ、もっ、や、だ・・・・・!」
見下ろす幼い表情が、淫靡で淫らな大人の顔へと変貌して行く。そして、
「・・・・・っ」
秋月が日和の中で達するのと同時に、日和も秋月の腹に精を放った。
白い肢体が、明かりの下で揺れている。
下半身は秋月と自分が放った精液で濡れそぼり、胸元や唇は秋月の唾液で濡れ光っている。
今・・・・・日和は秋月の身体の上で揺れていた。
自分がどんな姿になっているのか、日和はもう分からなかった。分かっているのは唯一つ、自分の身体の奥深くにまだ秋月がいる
ということだ。
もう出来ないと何度も言ったのに、秋月は日和の身体を離してくれなかった。様々に体位を変えられて、そして日和も、途中か
らは貪られているのか、自分が求めているのかもう・・・・・分からなくなっている。
「も・・・・・や・・・・・っ」
日和の中はもう秋月の精液で一杯でこれ以上入らないのに、秋月は中へと精を出し続けるのだ。
「腹が、いっぱいか?」
「んっ」
「でも、まだ終わりそうに無い・・・・・っ」
会えなかった一か月分を抱くと秋月は言った。それがいったい何回なのか、日和は数えることを放棄する。
「・・・・・はっ、あっ、はんっ」
「日和・・・・・っ」
「!」
(濡れて・・・・・く・・・・・)
身体の中が熱く濡れ続け、少しも乾く気配は無い。
もう、自分の身体は自分のものではなく、秋月の支配化に堕ちている・・・・・日和は薄れて行く気配の中で、熱い眼差しで自分
を見続けている秋月の目を見返しながら・・・・・ゆっくりと目を閉じた。
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