磨く牙
6
まだ、幼稚園に通っているかどうか位の、小さな子供達だった。
大学に行くのにはまだ少し早いと、たまたま立ち寄った公園には、賑やかに遊ぶ子供達とその母親達の姿しかなく、場違い
かと踵を返そうとした伊崎は、突然聞こえてきた声に思わず足を止めた。
「おまえんち、やくざだろ!このこうえんであそぶなよ!」
「そうだよ!ここはわるいひとたちがはいっちゃだめなんだぞ!」
「か・え・れ!」
「か・え・れ!」
ブランコの近くで、1人の子供を数人の子供達が囲んでいた。
まだ幼い子供達が言葉の意味を判るはずがなく、多分母親達の言葉をそのまま真似しているのだろう。それは明白な苛
めの現場だが、母親達は笑いながら見ていて止めることもしない。
(ヤクザとかどうとか、子供には関係ないだろうに・・・・・)
責められている子供はひと際小柄で、そして思わず見入ってしまうほど綺麗な子だった。男か女か、その年頃では分から
ないことも多いが、その子供はそんな性別を超えたところにいる。
伊崎もこれ程綺麗な少年を見たのは初めてだった。
(止めないと)
一歩足を踏み出そうとした伊崎は、甲高く響く声を聞いた。
「おまえら、だれにむかっていってるっ!」
小さな身体で仁王立ちになりながら、その子供は自分を囲む子供達を睨みつけた。
「いいたいことあるなら、ひとりでこい!」
「な、なんだよっ」
「おれひとりにいっぱいこなきゃ、なにもいえないんだろ!いじめているおまえたちだってわるいにんげんだ!おまえも、おまえ
も、おまえたちも!」
小さな指は、笑って見ていた母親達にも向けられていた。さすがにバツが悪いのか、自分の子供達を引っ張って公園から
出て行くと、1人残った子供は1人きりでブランコに乗り始めた。
大きな綺麗な目を、空に向けたまま・・・・・。
あの時、公園の外には護衛の組員がいたと後から聞いた。むやみな諍いを避ける為に、出来るだけ姿を見せないように
守っていると聞き、それならばどうして助けてやらなかったのかと問い詰めた。
答えは一つ。
楓は強いと・・・・・。
「あっ、あん!ああ!」
伊崎の身体の下で妖艶に身悶えている楓は、あの頃の面影を残したまま、目を見張るような美人になった。
あのたった数分で、伊崎の人生を変えた少年を、ずっと慈しみ守りたいと思っていた少年を、伊崎は今感情のまま自分の
ものにしようとしている。
(楓さん・・・・・)
指一本さえ容易に受け入れない楓の身体は、まだ未通なのは直ぐに分かった。身体の痕からある程度の行為があった
のは事実だろうが、その最奥に男を受け入れてはいない。
伊崎の心は歓喜した。
この行為を止めようとは全く思わない。このまま楓の全てを自分のものにするつもりだった。
「楓さん、もっと足を開いて」
伊崎の言葉に、楓は素直に足を開く。震えて濡れているペニスは赤みを増し、その奥の尻の蕾は伊崎の指を咥え込ん
だままだ。
「身体の力を抜いて。ほら、自分で気持ちのいい場所を探してみなさい」
「きょ・・・・・すけ・・・・・」
「何です?」
「恭祐が・・・・・動いて・・・・・」
「我がままな人ですね。ほら、どこですか?」
きついばかりだった蕾は、徐々に熱く解けてくる。
伊崎の長い指は優しく中を探り、ある場所を撫でた時、楓の身体がビクッと大きく震えた。
「ここ」
「あああ!あうっ、やめっ、やめ・・・・・ってっ」
指の腹で撫で、強く押す。
「男の感じる場所ですよ。安心してそのまま乱れなさい」
「きゃうっ!」
自分の身体を中から触られる・・・・・その衝撃的な事実に楓の身体はたちまち上り詰めた。
子犬のような鳴き声を上げながらペニスから精液を飛ばすが、それだけで快感は治まらなかった。
トロトロと零れる精液はそのまま身体を伝い、伊崎の指を含んでいる蕾まで濡らしている。そのせいか伊崎の指の動きはま
すます自由になり、本数も二本と増えていく。
「も、もっとっ、もっと触って・・・・・っ」
拙いながらも自分から腰を振り出した楓の姿を見て、伊崎もこれ以上我慢が出来なかった。
乱暴に指を引き抜き、素早く服を脱ぎ捨てると、逞しく鍛えた綺麗な身体が現れた。
「恭祐・・・・・綺麗・・・・・」
うっとりと呟く楓に乱暴に唇を重ねると、伊崎は既に立ち上がって涙を零していた自分のペニスを楓の蕾に押し当てた。
「許して下さい」
「きょ・・・・・?あああ!!!」
激しい激痛と共に、伊崎の大きなペニスが根元まで一気に挿入される。
身体を串刺しにされたような衝撃に、楓の目が大きく見開かれた。
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