熱砂の誓約
8
※ここでの『』の言葉は外国語です
「・・・・・!」
「・・・・・っ」
ペニスの根元のパンパンに膨らんだ双球を揉みしだかれ、悠真は悲鳴のような声を上げるが・・・・・その声は、アシュラフの大き
なペニスを銜えているせいで外には漏れなかった。
しかし、声をふさがれている代わりではないだろうが、口の中のペニスに少し歯を立ててしまい、掴んでいるアシュラフの腰が少し揺
れたのが分かって、悠真は慌てて噛んだ場所を唇を動かして宥めた。
「・・・・・ふっ・・・・・んっ」
もっと、口の中で奉仕をしたいのに、口の大きさいっぱいのペニスにはなかなか舌も這わすことが出来ない。
唇の端からは飲み込めない唾液がアシュラフのペニスを伝ってシーツに落ち、そこを濡らしてしまっているが、どうしようも出来ない
のだ。
(少しは、気持ちいいのかな)
ペニスが萎えないままなので、多少は快感を感じているとは思うものの、アシュラフが自分に与えてくれる快感には遠く及ばない。
悠真は、自分のペニスに与えられる快感に腰を砕けさせながらも、とにかくアシュラフのペニスを口から出さないようにと頑張った。
(そろそろ、か)
悠真が必死で与えてくれる口淫も気持ちがいいが、アシュラフはもっと熱く、狭い場所へとペニスをねじ込みたいと思っていた。
一心に愛撫を返してくれている悠真はそれに夢中のようなので、そろそろ肛孔を慣らしても痛みは感じないはずだ。
「・・・・・」
枕元には、予め用意させてあった小さな瓶が飾りのように置いてあった。
片手でその蓋を開けて手の平に垂らすと、ほのかに甘い匂いがする。それは、特別なオイルだった。
「・・・・・」
「!な、なに?」
オイルで濡らした指で、硬く閉ざされた肛孔を撫でた。さすがにその感触に気がついたのか、悠真は口からアシュラフのペニスを
出して後ろを向いてくる。
アシュラフは心配させないように笑った。
「お前が私を受け止めてくれる場所を慣らしている」
「な、慣らすって、でも、なんか・・・・・」
「我が国で作られているオイルだ。痛みを緩和する作用がある」
「痛み、を?」
「このまま、大人しくしていなさい」
悠真が気がついた今がいい頃かと思ったアシュラフは、そのまま身体を起き上がらせ、上に乗っている悠真の身体を仰向けに押
し倒した。
片足を肩に掛け、足を大きく広げて、アシュラフは悠真の肛孔に愛撫を続けた。
濡れた指は既に2本中に入り込んでいて、その指で作った僅かな隙間からも、中にオイルを垂らしこんだ。
(もう少ししたら・・・・・)
このオイルには、催淫剤も含まれている。
妾妃や、遊び女など、セックスしか必要のない女に対しては強烈なものを使う場合もあるし、処女を抱く時、硬くなった身体を解
かすためにも使われるものだ。
今回、悠真用には効き目の薄いものを用意させたが、それでも、もう中に入れている指に襞が絡みつき、熱いと感じるほどに身
体は蕩けているようだった。
身体だけでなく、心までも求め、求められる関係ならば、僅かな効き目の催淫剤でも、相当な効力を見せてくれるようだ。
「あっ、あっ」
「ユーマ、もっと足を開いて」
「や、だあ・・・・・っ」
「気持ちいいことをしてあげるから。ほら、素直になるんだ」
口では抵抗の言葉を漏らすものの、悠真の足は自分から大きく開いていく。
勃ち上がり、既に濡れて震えているペニスも、その根元の張り詰めた双球も、薄い濡れた茂みも。余すことなくアシュラフの面前に
晒しているという羞恥と、更なる快感を欲する欲望に、悠真自身混乱しているようで、目元には涙が浮かんでいるのが見えた。
「ア、アシュラ、フ」
「ユーマ」
「アシュラ・・・・・キ、キス、して」
手を伸ばし、必死でそう訴えてくる悠真の願いを叶えるべく、アシュラフは身を屈めて、苦しい体勢になって呻く悠真の唇にキス
をした。
身体の中を弄られる。
あの綺麗な長い指が自分の身体の中をかき回しているのを、悠真は熱に犯されたような思考でも理解出来ていた。
(か、身体・・・・・変・・・・・)
アシュラフを欲しいと思う気持ちは本当だし、彼に抱きしめられて嬉しくてたまらないものの、こんなにも理性が飛んでしまうほどの
快感を感じてしまうのだろうかと不思議に思う。
しかし、それはアシュラフだから、気持ちも身体も暴走してしまうのだと言い切ることも出来るような気がした。
彼に触れてもらう場所が全て、熱く、気持ちいい。でも、これはアシュラフだからそうなるのだ。
「あっ、んっ、ま、ま・・・・・って」
肛孔に感じる圧迫感が更に酷くなった。
「どうして?気持ちよくないのか?」
「きも・・・・・ち、い、けど・・・・・っ」
「いいけれど?」
「く、くるし、よっ」
悠真が必死で訴えると、頬に触れるアシュラフの吐息が笑ったような気がした。
「仕方ない。もう、3本も入っているからな」
「さ・・・・・」
(も、もう?)
ペニスから後ろに触れられて、まだそれ程時間が経っていないように思うのに、もう自分のそこはアシュラフの指を3本も受け入れ
ることが出来るようになったのか?
(ま・・・・・さか・・・・・)
「ア、アシュラフ」
「ん?」
「お、俺・・・・・」
「・・・・・」
「俺の、そこ・・・・・ゆる、い?」
恥ずかしさを堪えて、思い切って聞いてみた。本来は受け入れるべきではない場所だが、回数は少ないとはいえ、悠真はもう何
回もアシュラフのペニスをそこで受け入れてきた。そのせいで、簡単な愛撫でもそこは緩んでしまうようになったのだろうか、悠真はそ
れが心配になった。
そのせいで、もしもアシュラフが自分の身体を嫌いになってしまったら、どうしたらいいのか分からない。
「ユーマ・・・・・」
しかし、アシュラフはそう聞いた瞬間驚いたように目を見張り、直ぐには答えをくれなかった。
悠真はどうなんだろうと思いながらじっとその顔を見続けていたが、
「あっ」
やがて、アシュラフは悠真の身体を強く抱きしめてきた。
「すまない、ユーマッ」
「え?」
「お前の緊張を解し、早く快感を感じてもらうために、微量ながら催淫剤を使った。お前のここが早くから私の指を受け入れてく
れているのはそのせいだっ」
「さ、サイインザイ?」
聞き慣れない言葉に、悠真は怒りよりも戸惑いを感じた。
「あ、あの、じゃあ、俺の身体が変だってわけじゃ・・・・・」
「あるはずがない!ユーマの身体はどこもかしこも綺麗で、敏感だ!」
「・・・・・っ、は、恥ずかしいよ、アシュラフ」
「薬など使わなくとも、お前の身体は何時でも最上の快楽を私に与えてくれる。今回は私も初めから容赦なくお前を愛したくて
こんな手段を取ってしまった・・・・・許してくれ、ユーマ」
「・・・・・」
許してくれと、アシュラフが謝ることはなかった。確かに、薬を使われたということには驚いたが、それだけ、アシュラフも必死に自分を
欲しがってくれたのだと分かるからだ。
(それに、薬のせいだって分かったら・・・・・)
自分がどんなに乱れても、それは薬のせいだったと言い訳が出来る。
悠真は、眉間に皺を寄せて自分を見つめてくるアシュラフに手を伸ばし、その逞しい腕をそっと握って笑い掛けた。
「怒って、ないよ?」
「ユーマ・・・・・」
「俺だって・・・・・早く、アシュラフが・・・・・ほ、欲しい、し」
「・・・・・っ」
「だ、だから・・・・・」
早くという悠真の言葉は、激しく重なってきたアシュラフの口の中に消えてしまった。
自分の愚かな策略を知っても、悠真は優しく許してくれた。それだけでもアシュラフの心は喜びに震え、悠真の身体を頭から食
らいたいほどの激しい欲情を覚えた。
愛しい いとしい イトシイ
どんな言葉も、今の自分の気持ちを言い表すことが出来ない。とにかく、早く、悠真が欲しくてたまらず、アシュラフは抜き出した
指を再び悠真の肛孔に差し込んだ。
既に3本もの指を飲み込むほどに解れていたそこは、2本の指をすんなりと飲み込む。広げることも苦しいほどの狭い中だが、ア
シュラフは襞を爪先で擦り、ぐりっと抉るように押さえた。
「んっ!」
「ユーマ」
「だ・・・・・じょ、ぶ」
一瞬痛みが走ったのか、悠真の眉間には皺が寄ったが、中に入れている指の動きを少しゆっくりにすると、小さな口から零れて
くる吐息が甘えるようなものに変化してきた。
これも薬の効力かもしれないなと思いながら、アシュラフは悠真の表情の変化を注意深く見つめる。
(・・・・・熱い)
この細い指先を、これ程にきつく、それでいて絡みつくように刺激してくる悠真の中。アシュラフはこの中に自分のペニスを突き刺
す様を想像する。そうすると、既に勃ち上がっている自分のペニスは更に熱く脈打って、先走りの液は根元の叢まで濡らしてしまっ
た。
「あっ、はっ、やっ」
「・・・・・」
「ア、アシュ、アシュラ、フッ」
悠真が細い腰を揺らしている。早く、欲しいとねだってきている。
「・・・・・」
(愛らしい・・・・・)
腰の動きに連動して、綺麗なペニスも微かに揺れて、今にも爆発してしまいそうだ。
「ユーマ」
「・・・・・んんっ」
「ユーマ、私を見ろ」
何度も名を呼ぶと、涙で濡れた瞳がゆっくりと自分に向けられてくる。綺麗なこの黒い宝石も自分のものだと思うと、嬉しくて思
わず笑ってしまった。
「ア・・・・・シュラ、フ?」
「お前が愛しくて、どうにかなりそうだ、ユーマ。本当に、頭から喰らいそうなくらい・・・・・」
自分の血肉としてしまいたいくらいなのに、そうしてしまうと、こんな風に抱き合うことが出来なくなってしまう。甘い身体を味わうこと
が出来なくなるのは不本意なので、こうして・・・・・自分の腕の中に拘束してしまうだけにしよう。
「もっと、もっと、お前を私にくれ」
指を引き抜かれ、ポッカリと空いてしまったような感覚の場所に、濡れた熱いものが押し当てられた。
クチュ
アシュラフが垂らしたオイルのせいか、それともアシュラフのペニスから零れている先走りの液のせいか、どちらかは分からないが生々
しい水音が耳に響いてくる。
「力を抜いて」
「う、うん」
(薬が効いているはずなのに、身体が緊張しちゃって・・・・・)
身体は熱くてたまらないのに、頭のどこかでは最初に感じる痛みを覚えていて、その痛みを恐れている自分が緊張をなかなか
解いてくれない。もどかしくて、どうにかして欲しくて、悠真はアシュラフを真っ直ぐに見つめる。
「アシュラフ・・・・・ッ」
この男ならば、自分のもどかしい思いをくみ取ってくれるはずだ。その願いを込めて名前を呼ぶと、アシュラフはふっと笑みを浮か
べて唇を重ねてくれた。
「んっ」
クチュクチュと絡まる舌。ねっとりと、ゆっくりと、口の中を愛撫され、同時に勃ち上がったペニスを擦りあげられて、悠真の中から
理性が飛んでいってしまう。
「ふむっ、んっ」
もっと濃厚なアシュラフの愛撫を欲した悠真が、無意識のうちに腰を突き出した。
チュッ
その仕草に気付いたアシュラフは、可愛らしい音をたてて悠真とのキスを解き、悠真の物足りないという表情に笑いながら、押し
当てたままだったペニスをズッと肛孔に突き刺した。
「!!」
(くるし・・・・・っ!)
痛みを感じたのは一瞬だった。
そのすぐ後には、苦しいほどの圧迫感を感じて、悠真は握り締めているシーツの皺を更に深くした。
(ど、しよ・・・・・っ)
まだ、ペニスの全てを受け入れていないのに、苦しくて力が入ってしまって・・・・・どうしたらいいのか分からずに混乱してしまう。
そんな悠真の顔に何度もキスをしたアシュラフは、強張った手に自分の手を重ねて言った。
「ユーマ、ユーマ、私に掴まるんだっ」
「・・・・・っ」
「お前の身体を包んでいるというだけでも忌々しいのに、お前がそんなに強く握って縋ったら、今直ぐにこのシーツを燃やして消滅
したくなってしまうだろう」
「・・・・・っ」
(な、に、言ってるんだろ・・・・・)
シーツにまで妬きもちをやくアシュラフがおかしくて、可愛くて、悠真は泣きながら笑ってしまった。
そのせいで身体からは力が抜けてしまい、
「いい子だ」
「はぅっ!」
その隙を逃さなかったアシュラフが、一気に腰を突き入れてくる。
「・・・・・はっ、あっ」
やがて、アシュラフの叢が尻に当たったのが分かった悠真は、自分の身体の中にあのペニスが全ておさまったことを知った。
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ふふふ、まだ終わっておりません(苦笑)。
9話の半分まで続きそうです。