恋愛の正三角形





                          
後編






 綺麗でしなやかな裸体が2つ、隠すことも無く堂々と大輝の面前に晒されていた。
一卵性とはいえ、普段の生活環境で多少の違いは出るのか、廉の方が若干色が白く、壮の足は筋肉が綺麗に付いて
いる。
 幼い頃は風呂にもよく入っていたが、最近は泊まりでどこかに行くことも無く、2人の裸を見るのは随分と久し振りだが、
昔以上に大人の身体になった2人の幼馴染は、自分とは余りに違い過ぎる。
(お、おっきいし・・・・・)
 同じ男としてどうしても目がいってしまうペニスは、多分標準以上の大きさだと思う。
太さも、長さも、どちらがどうとは言えないが、どちらにしても自慢してもいい位のものだろう。
 「・・・・・っ」
 大輝は2人の目の前に晒している自分の裸が恥ずかしくて身体を隠そうとするが、2人は身体ごと大輝を押さえ込んで
更なる愛撫を続けていった。
(なに、これ、ゆ、夢じゃないの?現実なのか?)
 「あっ、はっ、んんっ」
 大輝は何度もそう問い返したいのに、たて続けに与えられる快感に息も絶え絶えだった。
廉が首筋から鎖骨をゆっくりと舐め上げれば。
壮は大輝のペニスを擦りながら太股を軽く噛む。
こんな風に誰かに愛撫されたことが無い大輝は快感を押し殺す術を知らない上、その快感を与えてくれているのが大好
きな幼馴染達だと思うと拒絶もしきれなかった。
(れ・・・・・ちゃんと、壮ちゃんが、俺のこと・・・・・こんな風に思ってたなんて・・・・・)
 もちろん、大輝だって2人の幼馴染が大好きだった。
大人で、カッコ良くて、少し意地悪もされるが、大輝にだけはとても優しく、2人にとって自分が特別な存在であることが
自慢だった。
ただ、そこには性的なものは当然含まれてはおらず、今のこの現状には途惑いが一番大きい。
 「何、考えてる?私達のことだけを思ってるのか?」
 意地悪く囁きながら、廉はささやかな大輝の胸の飾りを口に含んだ。
 「ひゃあっ!」
(お、女じゃないのに・・・・・っ?)
男にとって乳首など、ただのいらない飾りにしか思っていなかったのに、廉に口で含まれ、舌で転がされ、歯で噛まれたり
引っ張られたりすると、ジンジンとした痛み以外の感覚が襲ってくる。
 「ダイ、俺もいるぞ」
 ピクピクと身体をくねらせた大輝は、ギュウッと尻を掴まれた感触で、慌てて視線を下に移した。
そこには、壮が少し拗ねたような顔をしていたが、大輝が自分に視線を向けたことに気付くと、ニヤッと笑みを浮かべなが
らいきなり大輝のペニスを口に含んだ。
 「はっっあぁ!!」
(く、口、壮ちゃんの口に、お、俺の・・・・・っ!)
 さすがに知識だけではそういった行為があることは知っていたが、まさか自分が、それも大好きな幼馴染にその行為をさ
れるとは思わず、大輝は未知の快感と恐怖に身体を逃がそうと激しく抵抗した・・・・・つもりだったが。
熱く滑った壮の口腔の中で、大輝のペニスはますます勢いづいて硬くなっていった。



(可愛いな、ダイ・・・・・)
 経験豊富な壮も、男相手のフェラチオなど初めてだ。
自分が女にしてもらったことを思い出しながら舌や唇や歯を使うが、思った以上に素直に反応する大輝が可愛くてたまら
なかった。
 大輝以外の男のブツなど触りたくないが、大輝のならばこうして口で愛撫するのも厭わない。
むしろ、男の急所を支配することで、大輝の全てを手にしているのだという喜びが湧き上がっていた。
 「・・・・・あっつ、あんっ、やっ、そ、ちゃっ」
 嫌だと言いながらも、大輝の腰はもう逃げていない。
壮は顔を上げて廉を見た。
(・・・・・怒ってるな)
 大輝の初めてのフェラチオを勝手に壮が奪ってしまったことで、廉の顔は怒りの為か無表情になっている。
普段が冷静沈着なだけに、怒った時の廉は思いがけず大胆なことをするのだ。
そう壮が思った通り、廉は大輝の上半身から身を起こすと、そのまま大輝の目の前に自分のペニスを差し出した。
 「大輝、出来るか?」
 「・・・・・っ」
(廉っ、急ぎ過ぎだっ)
 ウブな大輝にフェラチオをさせるなど到底無理なはずなのに、廉は先に大輝のペニスを愛撫した壮に対抗して、どうして
も大輝の口を自分が最初に犯したいのだろう。
 さすがに大輝は目を丸くして、廉と廉のペニスを交互に見つめている。
 「出来るか?」
 「で、出来な・・・・・」
 「大輝」
甘えるように、誘うように、廉は大輝の名前を呼ぶ。
すると、意外なことに大輝は小さな声で言った。
 「お、俺、したこと無いもん・・・・・噛んじゃったりしたらやだよ・・・・・」
 「構わない。大輝、咥えるのが無理なら、手で触って舐めるだけでいいから」



 「・・・・・っ」
 ちくっとした痛みがペニスに伝わったが、廉は奥歯を噛み締めてそれに耐えた。
フェラチオが初めてだという大輝がヘタなのは当然だったし、何よりも初めて自分にしてくれているという事実が廉の欲情を
更にかき立てている。
(大輝のペニスを初めて味わうのは壮に取られてしまったが、大輝の口は私が初めてだ)
2人で大輝を共有すると決めたものの、全てが同時にというわけにはいかない。
現に、大輝のキスを初めて奪ったのは自分で。
大輝のペニスを初めて咥えたのは壮だ。
 「んむ・・・・」
 そして、大輝の口は自分のペニスが初めて犯している。
もちろん経験豊富な女達とは違い、先端を含むだけでも一杯一杯のようで、愛撫という行為とは程遠かった。
それでも、廉の快感は高まり、ペニスは力を持って更に硬く大きくなっていく。
 「廉」
 不意に、硬い声が自分の名前を呼んだ。
鏡のような自分と同じ顔が、快感に頬を緩ませる自分とは反対に硬く睨むような視線を向けている。
 「ずるいぞ、お前」
 「お前だって勝手に大輝のぺニスを咥えただろ」
 「それとこれとは違うだろ!・・・・・お前、まさか大輝のバージンも奪うつもりかっ?」
 「当然だろ。私はお前の兄だ」
 「こういう時だけ兄っていうなよっ」
 子供のように言い返す壮が、不意に可愛く感じてしまった。
確かに目の前のこの男は、自分と同じ魂を分かつ兄弟だと強烈に思う。
それが、こんな時に・・・・・自分にとっても唯一無二の大輝を前にして思い知るとは・・・・・廉は苦笑を零した。



(お、おっきいよ・・・・・っ)
 風呂上りだからか、想像していたような変な味はしなかったが、余りにも大きい為大輝の口の中には先端部分ぐらいし
か入らなかった。
(・・・・・俺・・・・・何してるんだろ・・・・・)
赤ちゃんの頃から知っている幼馴染相手に、1人のペニスを口に含み、1人にはペニスを含まれている。
本当に嫌ならば蹴ってでも逃げ出せばいいのに、いくら幼馴染とはいえ同じ男にこれだけ身体を弄られても嫌悪を感じる
ことは無かった。
 「無理しなくていいぞ」
 ペニスの竿の部分に手を沿え、先端部分を口に含んだまま動くこともままならないのに、廉は優しく大輝の頬に手を触
れてそう言ってくれる。
いやらしい行為をしているとは思えないほどに、優しいその眼差しに変化は無かった。
(俺・・・・・俺・・・・・)
 数十分前までは、確かに自分達はただの幼馴染のはずだった。
しかし、今はもう・・・・・。



 廉に大輝の口を先に盗られ、壮は大輝のバージンだけは簡単に譲らないと廉に詰め寄った。
 「お前大輝の初フェラ盗ったんだから、バージンは俺が貰ってもいいだろっ!」
 「それとこれとは違うだろう」
 「一緒だ!俺も大輝の初めての男になりたいんだよっ」
絶対に譲れないと言い張ると、なぜか不意に廉が笑った。
それは見慣れた馬鹿にしたような笑みではなく、本当に困ったというような苦笑で・・・・・壮も勢いがそがれてしまい黙って
しまった。
 「・・・・・分かった」
 「え?」
 「お前が先にすればいい」
 「えっ?」
(本当にそう言ってるのかっ?)
 自分から言ったことだが、まさか廉が承知するとは思わなくて、壮は思わず問い返してしまった。
 「本当にいいのかっ?後で嫌だって言われたって・・・・・」
 「確かに私は大輝に口でして貰っているからな。そこはお前に譲ってやろう。ただし、初めての大輝に無理はさせるな。次
には私も控えている」
 「廉・・・・・」
 「壮、私達は兄弟だが、もしかしたら1つの魂を分け合ったのかも知れないな。同じものを同じように欲しがってしまう・・・
・・。だから、初めにお前が大輝を抱いたとしても、それは私が抱いたのとかわりが無いのかもしれない」
 「・・・・・」
 飢えて飢えて飢えて、まるで騙すように大輝を攫ってここまで来たが、こうして大輝が逃げずにここにいてくれることで、自
分達には多少の余裕が出来たのかもしれない。
壮は初めて、廉を兄だなと感じていた。



 数え切れないほどにキスをされ、何も知らなかった身体に愛撫を与えられ続けた。
自慰さえもろくにしていなかったペニスはもう何度目かも分からない精を吐き、大輝は縋るように目の前にいる廉に手を伸
ばした。
 「廉ちゃ・・・・・」
 「力を入れないで、大輝。壮は慣らしているだけだから」
 「ふ・・・・・ぐぅっ」
 下半身の信じられない場所・・・・・自分さえも触れることの無い尻の奥に、大輝は意識を集中させている。
痛いと、汚いからと、何度言っても、壮はその窄まった尻の蕾に焦れるほどゆっくりと指を挿入させてきた。

 「大輝は初めてだからな。今回はローションを使った方がいい」

(ローション?初めてって、何?)
 「ひゃああ!!」
 まるでお漏らししたようにたっぷりと尻を濡らされ、何本の指を含まされているのかも分からなかった。
そんなとこを指で慣らされるわけが分からずに廉を見上げた大輝に、廉は何時もの優しい顔で言った。
 「そこで、私達を受け入れるんだよ」
 「で・・・・・出来な・・・・・」
 「出来るよ」
 「入んない、よっ」
 「入るように壮が慣らしてるんだ。大輝の可愛いそこで私達を受け入れてくれれば、私達はもう大輝のものだよ」
 「れ・・・・・ちゃ・・・・・」
 「大輝、愛してる」
 「!」
耳元で囁かれ、そっと唇を重ねられた。
(あ、あいし・・・・・?)
 「ダイ、俺も愛してるぞ」
 「壮ちゃ・・・・・ん」
(2人共・・・・・俺を好き、なの、か)
与えられているこの行為が、2人とってはただの欲望の解消ではなく、意地の張り合いでもない、本当に自分を想っての
行為だとようやく頭の中で理解した大輝は、急激に身体中が熱くなってくるのを自覚した。
(ど、どうしよ、愛してる、なんて・・・・・初めて言われたよ・・・・・)
嬉しくて、でも恥ずかしくて・・・・・だが、次の瞬間、
 「ま、待った!」
 「大輝?」
 「ダイ?」
 2人の気持ちは嬉しい。誰もが好きになるこの幼馴染達の愛情が自分だけに注がれているのも。
だが、それならば大輝だって同じ気持ちだった。
 「お、俺だって、2人のこと好きだもん!俺だって2人を抱きたい!」
 「「・・・・・え?」」



 突拍子もないことを言い出した愛しい幼馴染を、双子は驚いて見つめた。
 「俺だって男だもん!好きな人を抱きたいって思ってもおかしくないだろ?初めから俺が女の子の役に決まってるなんて
おかしいよ!フェアじゃない!」
 ベットの上にペタンと座り込み、尻も股間も濡れた状態で、こちらも全裸の自分達相手に延々と抗議をする大輝。
 「・・・・・くっ」
 「プッ」
どちらかとも無く、双子は笑い始めた。
こんな時に、こんな風に笑わかせてくれるのは、目の前の愛しい幼馴染ぐらいだ。
 「廉ちゃん!壮ちゃん!笑わないでよ!」
 「いや、ごめん、大輝の言う通りだな。男なら抱きたいと思って当たり前だ」
 「すまん、ダイ。ダイだって男の子だもんな」
 「そ、そーだよ!」
 自分の主張が通ったと思った愛しい子は、へへっと可愛らしく笑っている。
しかし、廉に噛まれてピンと立ち上がった桜色の乳首も、壮に舐められて何度も精を吐き出して濡れたピンク色のペニス
も、可愛がってと無言で主張しているだけだ。
 「・・・・・」
 「・・・・・」
 双子は顔を見合わせた。お互いが何を思っているのかは言葉にしなくても分かっている。
 「それじゃあ、大輝、お前がずるいとは思わないように」
 「お前に抱いてもらってもいいかな」
 「え?ホントッ?」





 優しくて大好きな幼馴染達がどんなに狡猾な大人なのか、大輝はまだまだ子供で知らない。
2人はゆっくりと左右から大輝の身体を抱きしめると、その耳元に誘うように囁いた。
 「「まだ時間はたっぷりある」」





                                                                end?





                                 






3Pもの後編です。

・・・・・いえっ、こんなとこで終わるなんて考えてもいなかったんですが、どうしても収まりきれませんでした(泣)。

3人のムフフは、今度こそ、この次、『その後』編へ(汗)。