SUPER BOY



10








 上杉に抱かれるのはこれで何回目なのだろうか・・・・・太朗はキスを受け入れながらぼんやりと考えていた。
一番最初の時のことは良く覚えている。上杉のことを受け入れたいと思うのに怖くて、気持ちいいと思う前にとても痛かった。
二度目なんかあるかと思っていたのに、今日で何回目なのかはもう分からない。分からないほどには、上杉を受け入れてきたと
いうことなのだろう。
 「タロ・・・・・」
 上杉のこの呼び方も、普段はからかっているとしか思えないが、こんな時は妙に優しく・・・・・エッチっぽく聞こえてしまう。
 「うぅ・・・・・」
(耳元で言うなって・・・・・)
くすぐったくて恥ずかしくて、太朗は身体を捻ろうとするが、上杉は太朗の両足の間に片足を入れ、そのまま身動きが出来ない
ようにしてしまった。
 「ジ、ジローさ・・・・・」
 「可愛がってやるから、逃げるな、タロ」
 「・・・・・っ」
(だ、だから、その言い方がオヤジっぽいんだって〜)
 内心では文句を言うものの、太朗の口は思うように言葉を出せない。
それは、上杉が再び口を塞いできたからだ。
舌を甘噛みされ、口腔内をくまなく愛撫されて、太朗の意識は既に朦朧としたものになっていった。



 「ほら、手を上げて」
 意識が半分飛んでいるのか、太朗は上杉の言葉に素直に片手を上げた。
上杉はそのままシャツを脱がし、太朗を上半身裸にしてしまう。
 「・・・・・まだガキの身体だな」
高校2年生になって少しは身長も体重も増えたが、身体全体はまだ完全に丸みが取れたというわけでないようで、女のように
柔らかくふくよかとはいいがたいが、まだ子供っぽさを十分残していた。
首筋に顔を近づけると、気のせいか日なたにいるような乾いた土の匂いがする。それと、少し煙草と酒の匂い・・・・・。
(これは俺のか)
自分の匂いが移ったのは何だか照れ臭い感じがする。
 「タロ、今度は足だ」
 「あ・・・・・し?」
 「そう、腰を上げて・・・・・よし、いい子だな」
 ジーパンと一緒にトランクスも一気に脱がしてしまうと、全裸になった心細さか、それとも寒くなったのか、太朗はブルッと身体を
震わせた。
 「ジローさん・・・・・」
 「いるぞ、ここに」
笑いながらそう言うと、上杉も服を脱ぎ捨てる。
太朗と肌と触れ合うのに、こんなものは邪魔になって仕方がなかった。
 「んっ」
 首筋から、綺麗に浮き出た鎖骨、そして小さな胸飾りへと舌を滑らせていくと、面白いように太朗の身体はビクビクと跳ねた。
上杉は笑みを含めたまま、片手を小ぶりなペニスに持っていく。
 「うあっ!」
 「もう少し色っぽく喘げ」
 「だ、だって・・・・・!」
 「・・・・・仕方ない、それがお前だしな」
 「な、なんだよお〜」
これ以上誘うような真似をされたら自分の方が持たないと、上杉は文句を言いたそうな口をキスで塞いでそのままペニスを擦り
あげていった。



 
クチュクチュ

 先端から竿の部分まで、丁寧にねっとりと愛撫を施され、太朗はもう息をするのも大変だった。
まだ若い身体は単純な刺激でもイキそうになるのだが、上杉は擦る手を調整してなかなか射精させてくれない。
何度もイかせてと懇願し、逞しいその背中に爪を立てるが、上杉はもう少し我慢しろといって手を離してくれなかった。
(い、ままで・・・・・なかった、のに・・・・・!)
 慣れない太朗の身体を十分理解してくれて、上杉は太朗に我慢を強いるという事をほとんどしなかった。感じてイキたくなっ
たら笑いながらでも促してくれたのに、今日はなぜかとても意地悪な気がする。
 「ジ、ジローさ・・・・・んっ」
 「もう少し」
 「・・・・・っ」
なんだか、吐き出したいものが逆流してきそうで怖い。
太朗は半泣きの状態のまま、上杉がペニスに与える刺激を追い続けた。
 「ひゃあぅ!!」
 押し寄せては引くという波のような快感に身を委ねていた時、前置きも無く何かが尻の奥、上杉を受け入れることが出来る
唯一の場所に入ってきた。
それが上杉の指だと、一瞬後に気がつく。
 「ひ、ひど・・・・・」
一度もイカせてもらえていないこの状況でこんな刺激はたまらなく強烈で、太朗は今度こそ手を離してと上杉の胸を押し返えそ
うとするが、上杉はますますペニスを握る手の力を強くし、蕾を抉る指の動きも少し乱暴なものにした。
 「やっ、やだ・・・・・っ!」
 「・・・・・」
身体を中から嬲られる感覚は今だに慣れない。それが自分の身体を慣らす大切な下準備だとは分かっているが、どうしても上
杉が嬉々として苛めているとしか思えないのだ。
 「ふっ・・・・・んんっ」
ぐりっと襞を擦られて、太朗は小さく悲鳴を上げた。



(揺れてる・・・・・)
 蕾の中を嬲り始めて間もなく、嫌だと言っていた言葉はやがて喘ぎ声に変わり、太朗の細い腰がゆっくりと揺れ始めた。
蕾の中の上杉の指が、自分の一番気持ちがいい場所に当たるように自ら動いているのだ。
 「・・・・・」
上杉はひっそりと笑った。
太朗本人も分かっていないこの姿は、先程まだ子供っぽいと思っていた自分の感想を撤回してもいい程に色っぽい。
 「タロ・・・・・」
 陽に良く焼けた腕が伸びてきて上杉の首に絡まると、太朗はそれを引き寄せて自分からキスをした。合わさった唇の端から唾
液が零れても頓着しない太朗に代わって、上杉はキスを解いて舐めとってやる。
ここまで来れば大丈夫だろう。
 「タロ、入れるぞ」
 意味が分かっているのかいないのか、コクコクと頷く太朗の蕾から差し入れた3本の指を引き抜くと、上杉はそれよりも遥かに
質量のある自分のペニスの先端を押し付けた。
既に先走りの液で濡れている上杉のペニスの先端は、クニュリと少しだけ蕾にめり込む。
 「う・・・・・ん・・・・・っ」
ゆっくり入れようか、それとも一気に押し進もうか、上杉は一瞬だけ躊躇したが、直ぐに自分も快感を感じるべく一気にペニスを
押し込んだ。
 「ひっ!!!」
 グイッと太朗のペニスを扱いてやると、勢い良く吐精する。ずっと我慢させていただけにその刺激は強烈なようで、太朗は泣き
ながら上杉に抱きつき、ぐっと自分の中にあるペニスを締め付けてきた。
 「・・・・・っ」
強力なその締め付けにさすがの上杉ももっていかれそうになるが、入れて直ぐに出したのではあまりに情けない。
何とか波を乗り切ると、上杉はゆるゆると太朗の中の感触を確かめるように動き始めた。
 「ふっ、あっ、はっ、んんっ」
 「タ・・・・・ロッ」
 涙と涎でクシャクシャの顔が可愛らしい。
普段の元気で生意気な太朗の笑顔ももちろんいいが、こうして自分だけが見ることを許された顔は更に愛しく思う。
 「・・・・・っ」
こみ上げる感情のまま上杉は抽送を繰り返し、やがて最奥を突いてギュッと強く太朗を抱きしめた。
 「・・・・・!」
その奥に思う様精を吐き出しながらも、上杉の動きは止まらない。
太朗のすんなりと伸びた足を捉えてキスをし、それを肩に掛けるようにして更に上から太朗の中に入り込む。
 「ふうっ、ううっ、あっ!」
淫らな音を響かせながら、上杉は太朗の中を思う様味わうように動き続けた。