大力の渦流
8
一番初めに乱暴にされた時以来、海藤はどんな時でも真琴を大切に抱いてくれた。
その優しさは触れられる指先だけでも良く分かるので、真琴も海藤に触れる時は好きだという気持ちを込めるようにして
いた。
「ふむ・・・・・んっ」
海藤のペニスを口に含んでいる今も、真琴は思いを込めている。
そんなことはしなくていいと言う海藤の身体を押し倒し、何時もは恥ずかしくて我を忘れるまで・・・・・頭の中が官能に支
配されてからしかしないこの行為をしたのは、愛しいという思いが堪えようもなく大きく膨らんだからだ。
(何時も、海藤さんは俺のことを考えてくれるけど・・・・・俺だって・・・・・!)
自分も、海藤の為になるなら何でもしたいと思う。だが、何も出来ないというのも分かっているので、海藤の言う通り大
人しくしているつもりだ。
ただ・・・・・触れ合うことが出来るこんな時は、海藤にも知ってもらいたいのだ。
「んぁっ」
既に大きく、硬くなった海藤のペニスはとても真琴の口に入りきる大きさではない。
真琴は仕方なく口からペニスを出すと、濡れた唇をグイッと手の甲で拭いながら真っ直ぐに海藤の顔を見た。
「真琴・・・・・」
何時も冷静沈着で、無表情とも言われているらしい海藤。
しかし、真琴を見る時の目はとても優しく、抱く時は情熱的だ。
今も真琴の口でペニスを育て上げられ、見つめ返す目の中には欲情の光が濃く滲み出ている。
こんな海藤を見れるのは自分だけだと、海藤にこんな顔をさせることが出来るのは自分なのだと、真琴は泣きそうな顔の
まま笑った。
「お・・・・・れ・・・・・」
「真琴?」
「俺だって・・・・・大好き、だから・・・・・っ」
「おい、待て、まだ解して・・・・・」
「へい、き!」
真琴はそのまま海藤の腰の上に乗り上げると、片手でもう支える必要もないほど勃ち上がった海藤のペニスを持ち、も
う片手で自分の身体で唯一海藤を受け入れることが出来る蕾を羞恥で真っ赤になりながらも押し開きながら、真琴は
一気に海藤のペニスの上に腰を落とした。
「ひぁっ!!」
「・・・・・っ」
解されていない真琴の蕾は、海藤のペニスを引き千切りそうなほどきつく締め付けてきた。
もちろん、全てが収まるはずもなく、半分ほどがまだ含みきれないままだった。
「真・・・・・琴っ」
海藤はその締め付けに眉を顰めたが、震える足で精一杯自分の身体を支えている真琴を見て、このまま中途半端な痛
みを与え続けるよりはと、真琴の腰を掴んで一気に自分のペニスの上へと引き落とした。
「・・・・・っ」
「ぐ・・・・・っ!」
途端に真琴の目からはボロボロと涙が溢れ出たが、痛いや止めてなどという拒絶の言葉は吐かない。
「痛いか、真琴」
「・・・・・」
ゆっくりと真琴が首を振ると、その拍子に零れた涙が海藤の胸の上に落ちてしまう。
真琴の思いそのままの熱い涙に、真琴の中に収まった海藤のペニスがどくんと更に大きくなってしまった。
「はんっ!」
「真琴」
「ふ・・・・・ぅ・・・・・っ」
「真琴・・・・・」
今夜、真琴がどうしてこれ程積極的に受け入れようとしてくれたのか、海藤には分かるような気がしていた。
何があっても、傍にいると、愛していると、言葉ではなく身体で告白されているのだ。
「かど・・・・・さ・・・・・っ」
少しだけ、入口が緩んだようだった。
海藤のペニスを包み込む内壁も、無意識だが蠢いて絡み付いてくる。
その刺激に海藤は唇を噛み締めると、目の前で震えている淡い色の乳首を摘んで軽く捩じ上げた。
「!」
「ゆっくり動いてみろ」
「で、出来・・・・・」
「出来るか?」
「・・・・・で、きる」
海藤の言葉に促されるまま、真琴はギュッと目を閉じた状態でそろそろと腰を上げる。
その動きの焦れったさに思わず自分で動きたくなってしまうところを、海藤は何とか押さえて真琴自らの動きをじっと待って
いた。
「・・・・・んっ」
真琴の方が海藤の上にいるので、自分のペニスがどういう風に真琴の中に突き刺さっているのかが良く分かる。
小さな真琴の蕾が限界まで開いて自分のグロテスクなペニスを飲み込んでいる姿は可哀想で・・・・・それでいて酷く妖艶
だ。
普段がセックスとはかけ離れた印象の真琴だけに、返って官能的に見せるのかもしれない。
「・・・・・」
「ん・・・・・あっ」
「・・・・・っ」
「ふっつ!」
ゆっくり、ゆっくりと、身体を上下させる真琴。
蕾の中に出入りを繰り返すペニスは卑猥に濡れていて、中から出てくる毎に大きくなっているような気さえした。
「か・・・・・」
「真琴」
「・・・・・たか・・・・・し、貴士さ・・・・・」
「・・・・・っ」
名前を呼ばれた。
酒に酔っているわけでもなく、強請した上でもなく、真琴自身の気持ちで・・・・・。
海藤はもはや膨れ上がった欲望を押さえることは出来なかった。
「ああ!!」
ぐっと腰を掴まれて身体を離されたかと思うと、あっという間に上下が逆転してしまった。
真上から真琴の身体に圧し掛かってきた海藤は、そのまま足を大きく開かせて再び腰を深く突き入れる。
「!」
先程よりは解れていた真琴の蕾は何とか一度に海藤の大きなペニスを含むことが出来たが、安堵する暇は与えられずに
ズッと引き抜かれる。
「ん!」
そして、また深く挿入され・・・・・その繰り返しに、始めは苦痛を堪えていたような真琴の声にも、甘い響きが含まれてき
た。
何度も大切に抱かれ、海藤の為に作り変えられたような身体だ。
愛されて嬉しいし、そこに苦痛があったとしても構わなかった。
「貴士さ・・・・・っ」
「真琴・・・・・っ」
「貴士さん・・・・・!」
大好きな人の名前を、こんな風に大切に呼べることが嬉しい。
海藤も同じ思いだというのが分かるのは、握り締めあっている手の力が強く、無理な体勢ながらも合わさった口付けで絡
む舌にも容赦がないからだ。
「はっ、あっ、んっ、ああっ!」
「・・・・・っ」
揺さぶられながらペニスを扱かれ、真琴はそのまま呆気なく精を吐き出してしまった。
その瞬間の締め付けに海藤は奥歯を噛み締めたが、まだ足りないというように激しく真琴の身体を貪り続ける。
「・・・・・!!」
海藤の固い腹に擦られた真琴のペニスは再び浅ましく力を取り戻したが、直ぐにまた絶頂の波が来てしまった。
「あああ!」
ぐっと最奥を貫かれ、真琴のペニスが弾けると同時に、身体の中に熱いものが浸透していくのを感じる。
自分の中で海藤が達したことを感じた真琴だが、海藤のペニスは精を吐き出しながらも硬いままで、また真琴の身体を
翻弄し始めた。
その夜遅くまで、2人の身体が離れることはなかった。
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