TOKEN OF LOVE
11
『』の中は日本語です。
自身を受け入れてくれるそこに舌を這わすことは全く気にならない。いや、むしろ全てを曝け出してもらっている気がして嬉しいほ
どだが、友春の気持ちとしては恥ずかしくて仕方が無いらしい。
「ケ、ケイッ、な、何かな、いっ?」
舌ではなく、ローションやジェルを使って欲しいと訴えてくるが、アレッシオは自身のもので友春の身体を解す方が楽しかった。
「持って来ていない」
顔を上げ、少し笑いながら答えると、友春はえっと焦ったような返事を返してくる。
「な、無い?」
「ああ。だから、少し時間は掛かってしまうが私の舌と手でゆっくりと蕩かしてあげよう」
「・・・・・っ」
それなりの物を使えば友春に痛みを与えることも無く、短時間で慣らすことが出来るのは分かっていたが、アレッシオはわざと何も
準備をしなかった。
なかなか会うことの出来ない恋人の身体の隅々を味わいたいと思うのは当然の欲求であると思っていたし、口では拒絶したとして
も優しい友春は結局受け入れてくれるというのも分かっている。
これも、セックスの大切な時間の一部なのだと友春に分かってもらうためにも、アレッシオはもう一度尻の蕾に口をつけた。
「ひゃぁっ!」
チュク
僅かに綻んでいたそこに舌を入れ、中をざらりと刺激した。まだ硬いそこで自由に動かすことは出来なかったが、それでも友春には
強烈な刺激になったようだ。
「・・・・・」
(もう少し・・・・・)
アレッシオは片手を友春のペニスに伸ばす。
「んっ」
既に濡れている竿を扱いてやると、痛いほどに舌を詰めつけてきた蕾から少し力が抜けた。
そこを狙い、アレッシオはさらに舌を深く入れ、内壁を舐めるように動かすと、押さえていた友春の腿がピクッと引き攣ったように動く
のが分かった。
「んっ、や、やめ・・・・っ」
「・・・・・」
「ケ・・・・・イッ」
懇願するように名前を呼ばれるのは嬉しい。
しかし、拒絶をされるよりはねだられる方がもっと嬉しいと、アレッシオはさらにペニスを嬲る手を動かし始めた。
腰から下が熱く蕩けたような気がする。
今ではアレッシオが膝を押さえている手にはあまり力が込められていないというのに、友春は自分の意思で足を広げてアレッシオの
舌を受け入れていた。
硬く閉じられていたはずのそこには、今はアレッシオの指が2本入り込んでいる。
グチュグチュと中でバラバラに指を動かされた友春は、今にも射精したくなっているのを辛うじて我慢していた。
「熱いな」
「ケ・・・・・」
「トモの中は本当に熱くて柔らかくて・・・・・ふふ、私の指がそんなに美味しいのか?」
時折顔を上げてそうからかってくるアレッシオの言葉に反論することも出来なくて、友春は何とかシーツを握り締めて快感を逃そ
うとした。
(も・・・・・、いい、のにっ)
これ以上恥ずかしい時間を感じるのなら、いっそのこともうアレッシオにペニスを入れて欲しいと思う。挿入される時の痛みはぜっ
たいに感じてしまうものだし、それが少しきつくても我慢するつもりだ。
「ケ、ケイ、いい、か、らっ」
「・・・・・」
「ケイ・・・・・ッ」
入れて欲しいと言うのは、何度言っても恥ずかしい。
それでも友春はアレッシオに聞こえるように、入れてくださいと訴えた。
「まだ十分に解れていない」
「い、いい、ですっ」
「トモ」
「早く・・・・・っ」
重ねて言うと、アレッシオがようやく身体を起こした。
「痛みを感じると思うが・・・・・」
その言葉に、友春はコクコクと何度も頷く。
アレッシオは仕方がないというような困った表情をして友春の唇にキスをすると、力なく開いていた友春の片足を肩に掛けて腰を抱
き寄せられた。
尻が布団から浮いて、恥ずかしい場所が見られている。視線の熱さにギュッと目を閉じようとした友春は、
「見るんだ」
そう、アレッシオに言われた。
「お前を抱いているのが誰か、その男がどんな風にお前を抱くのか、その目でちゃんと見るんだ、トモ」
「・・・・・っ」
そんな恥ずかしいことはとても出来ない。目を閉じて受け入れるのさえ精一杯なのだと何度も首を左右に振って訴えたが、アレッ
シオは強い眼差しを逸らさない。
「見るんだ」
「・・・・・ケ、イ」
「トモ」
強く名前を呼んだアレッシオが、自身のペニスを一度軽く扱いた。
既に大きく育っていたそれが、さらに勢いづいたような気がするのは気のせいだろうか。
(・・・・・こ、こわ、い・・・・・)
何時もは快感に頭の中が真っ白になった時に挿入されることが多いのでアレッシオのペニスを今の段階で見ることは少ないが、
自分とは全く違う太さと長さに、脈打つ血管が浮き出たそれに、怯えの気持ちが勝ってしまうのはしかたがない。
まだ中に入れられたままの指を弾みでギュウッと締め付けてしまうと、アレッシオはじっと友春の顔を見てから笑みを浮かべた。
「そんなに飢えていたのか」
「ち、違・・・・・っ」
「たっぷりと食べさせてやろう」
「・・・・・あっ」
唐突に、指が引き抜かれた。
クニュ
そして、アレッシオの腰が前に動き、熱く柔らかなものが代わりにそこに当てられる。
「息を吐いて」
「・・・・・」
受け入れるための準備をしろと言われ、友春は素直に何度も呼吸を繰り返した。
ズリュッ
「ひっ・・・・・あっ」
太い先端が、ズブズブという音をたてながら身体の中に押し入ってくるのが鮮明に分かる。
(く・・・・・る、し・・・・・っ)
きつくて、痛くて・・・・・熱い。友春は助けを求めるように手を動かし、やがて目の前にあるアレッシオの腕を強く握り締めた。
ペニスを突き入れた瞬間、友春の顔は真っ青になる。
「ふ・・・・・あ・・・・・っ」
「・・・・・」
友春の頬に手の平をあてると、無意識なのか擦り寄ってきた。その仕草が可愛くてアレッシオは笑い、唇に指を這わせてからそのま
まペニスへと移動する。
「ん・・・・・っ」
萎えてしまったそれを扱いてやると、友春の声に変化が表れた。同時に、真っ白だった顔色に少しだけ赤みが戻ってくる。
「トモ」
「ふ・・・・・くっ」
ゆっくりと腰を突き入れて先端部分を全て飲み込ませると、アレッシオもさすがにホッと息をついた。
友春の中に入っているペニスは強い力で締め付けられたままだったが、友春への愛撫のおかげでそれは少し弱まっている。そして、
それは何時しか強烈な刺激になっていた。
「はっ、はっ、はっ」
「トモ」
「ケ、ケ・・・・・イ」
「後もう少し、だ」
まだ竿の部分はほとんど入っていなかったが、アレッシオは友春に正直には伝えなかった。まだかなりの部分が残っていると知った
ら気を失ってしまうかもしれない。
「私の腕に掴まっていなさい」
「・・・・・っ」
「ほら」
「・・・・・ひっ」
「・・・・・っ」
何度も促すと、腕を掴んでいる友春の力が強まった。さすがにアレッシオの眉間にも皺が寄ったが、友春はこれ以上の痛みを感
じているのだと思うと我慢することなど簡単だった。
狭い内壁の中に分け入るように、友春の中にペニスを埋め込んでいった。
少しずつ、少しずつ、アレッシオは出来るだけ痛みを感じさせないように奥に入っていく。
やがて、自身の下生えが滑らかな友春の尻に当たった時、アレッシオはようやく自分のペニス全てを友春が受け入れてくれたこと
が分かった。
「入った」
「・・・・・・はっ」
「トモ」
汗ばんだ髪をかき上げてやると、友春の濡れた眼差しが向けられる。
アレッシオが言った通り、目を閉じないように最後まで頑張っていたようだが、さすがに今この瞬間は痛みを耐えるために目を閉じて
いたようだ。
「ご・・・・・な、さ・・・・・」
「どうした?」
「目・・・・・」
「・・・・・許さない」
そう言うと、友春の顔がクシャッと歪む。
「罰として、今からはずっと私を見ていろ」
自分の顔は、多分だらしなく崩れているだろう。友春が懸命に頷いてくれるのを見てしまうと、さらに笑み崩れてしまいそうだが、そん
なことを気にするよりも早く友春の中を味わいたい。
「愛している、トモ」
どんな言葉を伝えても足りないが、今はこの言葉が一番自分の気持ちに近いような気がした。
身体の中を犯される。
いや、これは自分も受け入れている行為なのだからその言葉は違うかもしれない。ただ、圧倒的な存在感が自分の身体の中を
我が物顔に支配して、友春はただ受けとめるだけで精一杯だった。
ズリュ グチュ
しばらくは友春の呼吸を見てそのまま動かないでいてくれたが、今は内臓をかき回されるほどに激しく身体を揺さぶられている。
「ふ・・・・・うっ、ふぁっ」
「トモ」
凶悪なペニスの動きとは違う、優しく自分を呼ぶ声。目を開けていろと言われているので、当然誰が言っているのか分かっていた。
いや、こういった行為を彼・・・・・アレッシオ以外とすることなど想像も出来ないので、こうして自分の身体を揺さぶっているのが彼
以外ありえない。
「ケ、イッ」
「・・・・・」
名前を呼ぶと、目の前のアレッシオの顔が柔らかく笑むのが分かった。
(・・・・・きれ、い・・・・・)
汗ばみ、情欲に濡れている顔。熱く、真っ直ぐな眼差しは自分だけを見ている。
「・・・・・んっ」
ゾクッと、した。背中から下半身にかけて、電流のように快感が走る。
「は・・・・・ぁんっ」
それまではまだ痛みの方をより強く感じていたと思うのに、この瞬間身体の中のスイッチが切り替わったかのように痛みは遠退き、
変わって襲ってきたのは快感だ。
身体の中を行き来するペニスが擦る場所すべてが快感のスポットかのように、友春は声を出して喘ぎ始めた。
「んっ、はっ、あんっ」
「トモ・・・・・?」
「はっ、あっ、あっ」
「・・・・・っ」
アレッシオが名前を呼んでも、友春は声を上げることを止められない。
すると、身体の中におさめられていたアレッシオのペニスが、さらに大きくなったような気がした。
(ケ・・・・・イ?)
「・・・・・トモッ」
自分の名前を呼ぶ彼の声が上擦っているように聞こえる。余裕を持って自分を責め苛んでいると思っていた彼も感じているのだ
と思うと、友春の口元には自然に笑みが浮かんでしまった。
「ケ、イッ」
お互いを刺激し合い、高め合う。だから、こんなにも気持ちがいいのだ。
(ちゃん、と、好き、だから・・・・・)
一方的な愛情の押し付けではなく、友春自身もアレッシオを想っている。この快感は押さえるものじゃないのだと思うと、友春は身
体の奥底からまた別の熱が湧き上がってくるような気がした。
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