TOKEN OF LOVE










                                                                                         
『』の中は日本語です。




 濡れた服が身体に張り付いて少々動きにくかったが、今友春の身体を手放して服を脱ぐつもりはなかった。
遊びではない愛する相手とのセックスは素肌を触れ合わせたいと思うのが当然だったが、今のアレッシオは一刻も早く友春の熱い
最奥に入りたくて、そんな手間を掛けてはいられない。
 「ん・・・・・っ」
 石のタイルにうつ伏せにした友春の身体から、下着ごと下を全て脱がした。
白い双丘が暗くなりかけた洗い場を照らす明かりの下で、艶かしい影を作りながら動いている。
 アレッシオは口元を緩めたまま、軽くそれに唇を押し当てた。途端にビクッと身体が震えたが、アレッシオは構わずにそのまま舌を
背中へと這わせていく。
 「ケ、ケイ」
 上半身は前を肌蹴ただけなので、窮屈そうに服が捲れている様が・・・・・なんだか友春の身体を無理矢理に征服しているよう
な気にさせた。
被虐心をそそるその姿は目に楽しいものだが、もちろんお互いに想い合っている今、友春に恐怖を感じさせるつもりはなかった。
宥めるように背中にキスを繰り返し、そのまま手を前にやって剥き出しのペニスをゆっくり握りこむ。
 「ひゃっ!」
 それはまだ勃ち上がってはおらず、慎ましくアレッシオの手の中に収まっていた。
久し振りに感じる滑らかなそれを擦ると、友春の口からは次々に耐え切れない声が零れてくる。もっと、もっとこの甘い声を聞きた
いアレッシオは、そのまま友春の腰に腕を回すと、彼を仰向けにして視線を合わせた。
 「・・・・・っ」
 それまでは顔を見られないということで辛うじて押さえられていたらしい羞恥が、一気に噴出したかのように友春の全身が見事に
赤く染まる。
 そのうえ、剥き出しになっているペニスを隠そうと足を組もうとしたので、アレッシオは強引に片足を床に押し付けると、友春の下
半身を自分の面前に晒した。
 「あ、あのっ」
 「お前のここは、もう私を誘っているな」
 笑みを含んだ声でそう言い、アレッシオは友春の赤い胸飾りを口に含む。

 チュクチュク

口の中で舌で舐めねぶり、時折歯で扱いてやると、それはプクンと健気に立ち上がってきた。
 「咲く前の、バラの蕾のような鮮やかな色になった。トモ、自分でも見えるか?」
 「そ、そんな・・・・・っ」
 「勿体無い。お前の身体はどこもかしこも美しいのに」
 もう片方の乳首も口を含み、同じようにツンと舌を押し返してくるまで育てると、そのまま可愛い臍をペロッと舐める。
 「・・・・・っ」
腹が大きく波打った。
 視線を下に移すと、先ほどまで縮こまっていたペニスが緩やかに勃ち上がりかけているのが見えて、アレッシオはさらにくっと笑み
を零した。




 「ケ、ケイ、ふ、服をっ」
 抱かれることはこれ以上拒まないから、せめて服を脱がせて欲しいと頼んだ。
こんなふうに中途半端に服を脱がされた形で、圧し掛かってくるアレッシオは今だ服を乱さないままで。
これではなんだかアレッシオに一方的に身体を嬲られているような感じで、友春は耐えられないと必死に訴えた。
 「トモ・・・・・」
 友春のその言葉は、アレッシオにとっては意外なことのようだった。
彼は綺麗な碧の瞳を瞬かせ、しかし直ぐに友春を宥めるように頬に唇を寄せてくる。
 「悪かった、そんなふうに思っているとは考えなかった」
 「ケイ」
 「私が服を脱がないのは、それほどにトモ、お前を早く抱きたいからだ」
 「・・・・・え?」
 「分からなかったか?ほら、私のこれも、早くお前の中に入りたいと猛っているというのに」
 そう言ってアレッシオは友春の手を掴んで自分の下半身へと触れさせた。
 「・・・・・っ」
服越しにでも、アレッシオのペニスは大きくなっているのが十分分かる。彼はこんなにも自分を欲していたのかと、友春は戸惑いと
ともに嬉しさや羞恥の入り混じった複雑な感情を持て余した。
 再会してから道中まで、アレッシオは身体に触れては来るものの、友春よりもはるかに理性的で余裕があるように見えた。
際どいことを言っても、直ぐに笑みを浮かべて違う話題にしてくれた。
そんなアレッシオが心の中ではこれほどの欲情を押さえ込んでいたと分かった友春は、次に行動しなければならないのは自分かも
しれないと思えた。
 「・・・・・」
 「トモ?」
 友春はアレッシオに押し付けられていた手を、今度は自分の意思でそっと動かす。
竿の部分を擦って育てようと手を動かしてみたものの、服越しではどうしてももどかしい刺激になってしまうようだった。
 「トモ、直接触ってくれ」
 「あ・・・・・の」
 「私を愛してくれ」
 「・・・・・っ」
 グッと腰を押し出してきたアレッシオのペニスが、自分の手に押し付けられた。
友春はとっさに手を引きかけたが、これ以上アレッシオを待たせることもしたくないと、ゆっくりとファスナーを下ろして少しだけ下着を
ずらす。
アレッシオのペニスは直ぐに顔を出して、友春は熱いその感触に思わず息を吐いた。
(ちゃん、と、しなくちゃ・・・・・)
 先端から先走りの液を零し始めていたペニスに手を滑らせ、ドクドクと脈打つ竿を擦ると、その大きさは触れているだけでも大き
くなったことが感じられた。
 「・・・・・っ」
 アレッシオが眉を顰め、切ない吐息を漏らすのが聞こえる。
 「ケ、イ」
 「トモ、もっと・・・・・」
アレッシオは自身のペニスを刺激する友春の手に己の手を重ね、その愛撫はさらに激しいものへと変わった。

 ジュクジュク

 手が、少しぬめった液で濡れる。
(ケ・・・・・イ)
アレッシオの手の力だけではなく、自分でも彼を感じさせるために必死に手を動かした友春は、
 「・・・・・っ」
カリッと、先端部分に爪を引っ掛けた瞬間、熱い精液が吐き出されたことを知る。
 「あ・・・・・!」
 同時に、友春も自分の下半身が濡れたのが分かった。アレッシオのペニスを嬲っただけで自分が射精してしまったことに、友春
は驚いてただ呆然とするしかなかった。




 情けないほどに呆気なく射精してしまったが、どうやら友春も同時に精を吐き出したらしい。
弛緩した身体をくったりと床に投げ出した友春はしどけなく、上気した頬と潤んだ瞳はまだこの先の愛撫をねだっているように見え
た。
 アレッシオは友春の頬に指を滑らせ、薄く開いた唇に自身の唇を重ねる。中に舌を差し込んでも、口腔の中を自在に愛撫して
も、友春は抵抗することも無く受け入れた。
 唯々諾々と従うのも良いが、反応を返してくれる方がもちろん楽しい。
放心している友春を正気に戻すためにも、アレッシオは上半身を起こして濡れたペニスをいきなり口に含んだ。
 「ん・・・・・あっ!」

 チュク

 射精したばかりだが、健気なペニスは直ぐに勃ち上がってくれる。それと同時に友春もはっきりと意識を取り戻したようで、押さえ
ていた腿が強張るのが分かった。
 「ケ、ケイ、まだ・・・・・っ」
 意味の無い抵抗をしようとする友春に、アレッシオはクチュリと口の中からペニスを出して言う。
 「トモの手は素晴らしい」
 「え・・・・・?」
 「あんなに早くイクとは思わなかった」
 「・・・・・っ」
その意味を悟ったのか、友春が床についていた手に視線を向けた。白く汚れているそれに自分が何をしたのか改めて分かったのだ
ろう、恥ずかしそうに顔を背けた頬にキスをする。
 「でも、あれでは足りない」
 「ケ・・・・・」
 「トモも足りないだろう?」
 「・・・・・っ」
 「言えないのなら、身体で教えてくれ」
 友春のことならば、言葉で伝えてくれなくても分かる自信があった。
いや、もしもその意志がアレッシオの意図しないものであれば、望む方向へと進めてみせる。
 先ずは、友春が嫌がったこの服を脱いで素肌で愛し合おうと、アレッシオは腕に引っ掛かっている友春のシャツを脱がすために手
を伸ばした。

 少し風が冷たくなり、アレッシオは友春を膝に抱いて湯船の中に浸かった。
途端に友春が気持ち良さそうな吐息を吐いて、アレッシオはくすりと笑う。
 「気持ちが良いか?」
 「は、い」
 「自然の中にあるようだな」
 湯船は石造りで、周りは壁の目隠しではなく竹林がある景色を見れば、まるで大自然の中で風呂に浸かっているような錯覚に
陥った。
野外で友春とセックスをするとは思わなかったが、ここならば誰の目を気にすることなく友春の痴態を楽しめそうだ。
 「今の時刻も良いが、月夜も美しいだろうな」
 「・・・・・綺麗でしょうね、月」
 自分の言葉をそのままの意味に捉えたらしい友春に、アレッシオはそれもいいがと友春の肩に湯を掛けてやった。
 「お前が、だ」
 「ぼ、僕?」
 「月夜に照らされるお前の身体は、神秘的に輝いて私の目を魅了してくれるはずだ」
艶かしい白い肌に、神々しい月明かり。その身体が自分の身体の下でどんな風に乱れるのか今から楽しみだ。
 「え、あ、あの、えっと・・・・・」
さすがに友春はどういって良いのか分からないらしく、いったんアレッシオから距離を取ろうと身じろぐ。
すると、友春の尻の下のアレッシオのペニスが緩く擦られる形になってしまい、そうでなくても鎮まっていない欲望と共に友春の尻の
狭間をつっと押し上げた。
 「!」
 「トモからのお誘いだ。断るわけにはいかないな」
 「ま、待っ・・・・・」
 焦る友春を笑いながら、アレッシオは前に手を伸ばすと、先ほどは可愛がっていない双丘の奥に指を滑らせ、慎ましやかに閉じ
ている蕾を撫で摩った。




 アレッシオの手が前から尻の奥へと指を伸ばしてきた。
お互いが射精して、さすがに今はここまでで終わりだと気を緩めていた友春は、尻の奥に彼の指を感じてキュッとそこに力を入れて
しまった。
 「我慢出来ないのか」
 そのせいで、アレッシオの指を双丘で挟み込む形になって、反対に彼に笑われた。
(ど、どうしよう・・・・・っ)
 「力を抜いて、トモ」
 「え・・・・・あ」
 「トモ」
後ろから耳を舐られ、甘い声でねだられる。
 「力、って・・・・・あの」
 「ここを可愛がってやらなければ無理か?」
 反対の手でペニスを握られ、反射的に友春は身体の力を抜いてしまった。その隙を逃がさなかったアレッシオは指で少し強く蕾
の表面を撫でてきた。
 「ん・・・・はっ」

 パシャ ピチャ

 友春がアレッシオの手から逃れるために身体を揺するたび、湯が音をたてて跳ねている。
 「トモ」
 「んっ」
身体の中に、指の爪先が入り込んできた。痛みは一瞬で、次に感じたのは圧迫感だ。
指以上のものを何度も受け入れたそこだが、この前にアレッシオに抱かれたのは夏だ。それ以降数ヶ月、自身で嬲ることも出来な
いそこは、まるで初めての異物を受け入れるかのようにきつく閉じたままだった。
 「・・・・・はっ」
 唇から漏れた苦痛を訴える声に、ペニスを嬲る手が激しくなる。
 「トモ、力を入れるな」
 「はっ、はっ」
 「トモ」
自分でもそうしようと思うのに、なかなか身体が言うことをきかなかった。
痛いのは、嫌だ。それ以上に、アレッシオを受け入れたいと思う気持ちもある。
(力、力を抜かないと・・・・・っ)
 何度も何度も浅い呼吸を繰り返した友春の身体は、本当に少しずつ強張りが解けていく。それを待っていたかのように、ズリュッ
と身体の奥に指が入り込んできた。