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元々女好きの慧だが、男を抱く手順だけは頭の中に入っていた。身近に尾嶋というゲイがいるからというわけではな
いが、飲みに行った先でも普通に男同士のセックスの話は耳に入ってきていた。
もちろんその時はまさか自分がその知識を役立たせるとは思っても見なかったが・・・・・。
(とにかく、愛撫は女と同じように、か)
豊満な乳房でなくても、男でも乳首は感じるという。それだけでなく、首筋も、腹も、背中も、太股の内側も。肉の
薄い、女が感じる場所は男も同様に感じるのだと言っていた。
それに忠実に、慧はいずみの身体に手を這わせてみる。小さな乳首を指で摘むと、ビクッと自分の身体の下でいず
みの身体が跳ねた。
(痛いんじゃ・・・・・ないな?)
確認するようにいずみの顔を覗き込みながら、慧は空いたもう一つの乳首に唇を触れさせる。ゆっくりと舌で舐め転が
し、唇で挟み、軽く歯で噛んでみた。
女の乳首とは大きさが全く違うので反応が心配だったが、しばらく舌を動かしていると明らかに小さな乳首が尖ってくる
のが分かった。確かに、いずみはここの愛撫で感じているようだ。
「いずみ」
「ふぁっ・・・・・」
口で銜えたまま名前を呟いてみると、濡れた乳首に息が掛かるだけで感じるのか、いずみは身体を捻って胸を隠そう
とするが、感じることが分かっていて慧がそれを許すはずがない。
「女よりももっと優しく、濃厚に愛撫をするんですよ。男同士で身体を重ねるということは、女を抱くほどに簡単ではな
いですから」
(・・・・・分かってるって)
いずれこういうことになることを予想していたのか、つい最近尾嶋がからかうように言った言葉を思い出しながら、慧は
更に手を大胆に動かし始めた。
「やっ!」
慧の手がペニスに触れた時、いずみは思わず拒絶の言葉を漏らしてしまう。慧にそこを触れられるのは初めてではな
いものの、やはり抵抗はあった。
(お、俺っ、もう勃っちゃって・・・・・っ)
こういった接触に今だ慣れない自分の身体は、慧の愛撫に敏感に感じて既にペニスを勃ち上がらせてしまっている。
手で隠してしまいたいが、慧は片手で容易にいずみの両手を拘束していて、抵抗することはほとんど出来なかった。
「せ、専務、俺っ」
「慧」
「さ、としさ、俺、俺だけじゃ、恥ずかし・・・・・っ」
「お前だけじゃない、俺もだ」
「ふぇ?・・・・・っ!」
ニュルッ
(な、何?)
腹に、濡れた熱いモノがヌルッと触れた。
その正体が何なのか、知りたかったが見るのも怖くて、いずみは途惑ったような視線を目の前の慧に向けることしか出
来ない。すると、慧は拘束していたいずみの手を解放し、片手を取ってそのまま下半身へと導いた。
「・・・・・あっ」
「分かるだろう?」
自分の手にも余るような大きなモノ・・・・・それは慧のペニスだった。
とても自分と同じペニスとは思えないほどの熱く大きなペニスが、いずみの貧弱な腹を押し上げているのだ。
「・・・・・っ」
「な?感じているのはお前だけじゃない」
俺もだ・・・・・耳元でそう囁かれながら、腹にペニスが擦り付けられる。その熱さと硬さと滑った感触に、いずみはブルッ
と身体を震わせてしまった。
この歳になるまでかなり遊んで、ある程度欲情もコントロール出来ると自負していた。
もちろん、自分が気持ち良くなることも大事だが、自分の愛撫で相手が気持ち良さそうに善がり、溺れていく様を見る
のも心地良いと思うようにもなっていた。
だが・・・・・いずみ相手では勝手が違うのだ。
まだ自分自身は何の愛撫もされていないのに、既に若い頃のように痛いほどペニスが勃ち上がっていた。先端からは
先走りの液が零れ始め、ペニスを伝っていずみの腹の上へと滴り落ちている。
「・・・・・っ」
まだ、いずみの中に入れていないのに、恥らういずみの顔を見るだけで、既に自分のペニスは弾けそうになっていた。
そんなことは、女を知った当初のまだ中学生の時以来だ。
(・・・・・くそっ)
慧はいずみのペニスを掴んでいる手の動きを早くする。セックスに慣れている自分が、セックス未体験のいずみよりも
早く出すことは出来なかった。
「はっ、あっ、まっ、待ってっ」
「いずみ・・・・・っ」
急に慧に手淫を激しくされ、いずみに抵抗する余裕などなく・・・・・いずみはたちまち上り詰めて慧の手の中に精を吐
き出してしまった。
「・・・・・っ」
それに続けて、慧もいずみの腹に熱い精を吐き出してしまう。
まるで初体験同士のような性急な吐精に情けなく思いながらも、慧はこれまでで一番気持ちが良かったと思ってしまっ
た。
「いずみ」
いずみは頬を紅潮させたまま、はあはあと息をついている。
その唇に強引にキスをしながら、慧はいずみの精で濡れた手をその後ろ・・・・・尻の狭間へと伸ばしてみた。
「ふぅんっ?」
いきなり後ろに触れられたいずみは途惑っているようだが、慧は早くここに・・・・・いずみの最奥にペニスを突き刺したくて
仕方がなかった。いずみの感じる顔だけでこんなにも気持ちが良かったのだ、この中に入り込めば更なる快感が得られ
るはずだ。
「・・・・・」
慧がいずみの腹に掛けたものと、いずみ自身が吐き出したもので、その下半身は淫らなほどに濡れそぼっていた。
粘ついた液が肌に絡み付いて気になって仕方がないのか、いずみはしきりに身体の下に敷いているシーツを引き寄せ
ようとしているが、慧は当然それを許すつもりはない。
「いずみ、駄目だ」
「で、でもちょ、ちょっとだけ休んで・・・・・」
「今のうちに解した方がいいだろう?」
今射精したばかりで、いずみの身体には全く力が入っていない。その方が硬く閉ざされているはずのそこを・・・・・尻の
蕾を解すのには都合が良かった。
「・・・・・ひゃっ」
濡れた指で、そっと蕾の表面を撫でてみた。案の定、まだ指一本も入らないほどに硬いままだが、熱いという感触は
分かる。
(濡れが足りないか・・・・・?)
漏らしたと思うほどに濡れた方がいい・・・・・確かそんな事を聞いた気がした慧は、ベッドヘッドを探って小さなボトルを
取り出した。出来ればこんなものは使いたくないが、初めて挿入する今日は・・・・・仕方ないだろう。
「力を入れるなよ?」
無理かもしれないと思いながらもそう囁くと、慧は掌にローションを零してそのまま蕾に爪先を差し入れてみた。
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