指先の魔法
21
「・・・・・はあ」
バスルームから出た時、真琴はすっかり疲れきってしまっていた。
辛うじて海藤を押しのけトイレに駆け込んだが、出てきた瞬間またバスルームに連れ込まれ、さんざん焦らされて泣かされた。
今度はどんなに頼んでも口を離してくれず、真琴はとうとう海藤の口の中で精液を出してしまった。
何度も何度も謝る真琴に、海藤は事も無げに、『次は俺がお前に出す番だ』と言った。
(セ、セックスって疲れる・・・・・)
大きなバスタオルで身体を巻かれ、そのままベットルームまで海藤が抱いて連れて行ってくれたが、すっかり力の抜け切っ
た真琴に抵抗する気力はなかった。
「あ」
「どうした?」
「身体、濡れたままで・・・・・」
「構わない」
『どうせまた濡れる』と言った海藤は、自分自身もそのままベットに乗り上げてきた。
昨夜まで一緒に眠ったベットは安心して眠れたのに、今日は全く落ち着かない。
「そのままうつ伏せで、腰だけ上げてみろ」
「は、はい」
言われた通りにとったポーズは、まるで動物のようで、それと同時にあの夜のレイプを思い出させた。
「・・・・・い・・・・・や・・・・・」
「真琴?」
「後ろからは・・・・・やです・・・・・」
消え入りそうな声はちゃんと海藤の耳に届いたようで、海藤は一度真琴の背中にキスした後、その身体を上向きに返した。
「怖いか?」
気遣うような言葉に、真琴は少し迷った後首を縦に振った。言葉で誤魔化したとしても、身体の強張りはすぐ分かってし
まうだろう。
「痛い思いをさせるかもしれないが、俺はお前を傷付けるつもりはないから」
海藤はなだめる様に唇を寄せる。躊躇うだけだった真琴の舌も、怖々だが海藤に答えようとするが、とてもついていけなくて
喘がされるばかりだった。
「あ・・・・・はあ」
すっかりキスに溺れてしまった真琴は、その間に海藤が自分の両足の間に身体を滑り込ませているのに気付かず、グッと
足を広がされて、初めて自分がどんな格好になっているのかに気が回った。
「なっ、このかっこ・・・・・っ?」
「そのままじっとしてろ」
「!」
両方の膝裏を持ってほっそりとした足を開くと、再び硬く立ち上がっている真琴のペニスと、その奥の窄まりまで、全てが海
藤の視線のもとに晒された。
思わず足を閉じようと力を込めても、海藤の逞しい身体のせいで閉じられない。
(見、見ないでよ〜)
更にグイッと力を込められ、真琴の腰は軽々と浮き上がり、そのまま海藤は顔を近付けた。
「ひっ、あっ、はあ・・・・・んっ!」
再び始まった海藤の口淫に、既にその気持ちよさを知ってしまった真琴の身体は直ぐに快感に蕩けた。
竿からその先まで、口で、舌で、時折喉の奥で愛撫をする海藤は、片手を乳首に伸ばして強く捏ねる。
「あ!」
何時もは頬に優しく触れる指先が、今夜は真琴を快感に啼かせる為に猥らに触れる。
身体だけではなく心までも堕とされていくようで、真琴は縋るように海藤の指を掴んだ。
「海藤さん、海藤さん・・・・・っ」
それに答えるようにギュッと真琴の手を握り締めた海藤は、快感に先走りを流し続けるペニスから口を離し、そのままもっと
奥の、自分を受け入れる窄まりに舌を這わせた。
「!やめっ、きたない!!」
ペニスへの愛撫以上に驚愕した真琴は、思わず両足をバタバタさせて身をよじろうとした。
しかし、両足をしっかり持った海藤は構わずにそこへの愛撫を続ける。
「や・・・・・」
(おし、おしりの、あん、あんなとこ・・・・・!)
今の真琴は、どこで海藤を受け入れるかを知っている。男同士ならそこしかないのも分かっている。
しかし、普段は排泄にしか使わない、自分ですら見たことのない尻の穴を舐められるのは相当なショックだった。
「はっ、あっ、ふ、ふえ・・・・・あ!」
海藤の舌が身体の中まで舐めているのが分かり、真琴は泣きながらも感じてしまった。
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